米国バブルとバーゲンハンター達の行方

公開日: : 最終更新日:2014/03/20 ヘッジファンド, 大井リポート, 未分類 | 

今週気になるニュースの行方は、以下の3点です。米国経済は経済との乖離がすすみバブルの様相を呈してきました。そのような不安定な中で、ウクライナの問題やチャイナリスクがいつ金融危機の引き金となるか分かりません。

  • 3月19日のFRB金融政策決定会議の行方
  • ウクライナ情勢
  • 中国1990年代以来初めての社債デフォルト

先週金曜に発表された米国2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比17万5千人増加し、ブルームバーグ社がまとめたエコノミスト予想の中央値を上回りました。また、失業率は6.7%と、前月の6.6%から上昇しました。

米国在住のエコノミスト、熊坂有三氏の短期景気予想、CQM(Current Quarter Model)による分析(http://www.iteconomy.com)を見ると、米国景気は年明けからスローダウンしています。一方で、インフレ率上昇が見られます景気判断も「インフレ膨らまし粉」を考慮した成長率と見る必要があります。

気になるのは、来週19日のFOMC(FRB金融政策決定会議)です。量的緩和(QE)縮小を段階的に続ける姿勢を崩さないと見られます。そして、株式市場は、失業率増加のニュースにも関わらず、景気回復先取りで強気の姿勢を崩しません。実体経済の弱さと強気の株式市場にはギャップがあり、QEバブル、クレジット・バブル、アセットバブルと称される「バブル」が膨らんでいると多くのマーケット関係者が指摘しています。FRBがバブル退治に何らかの声明を発表するかが注目されます。

次に、ロシアとウクライナ政府との外交問題に解決のメドは見えませんが、ロシア株ETF(exchange traded funds)への資金流入が昨年5月以来、最高に膨らんだと報じられています(FTウィークエンド版8/9日付)。バーゲンハンターがウクライナ情勢の安定化を見込んで、投機的な買いに入ったと思われます。強気のプーチン大統領のウラには、天然ガスや石油など多くの資源をロシアに依存する弱気の欧州の実情があります。米国も多発的な戦争介入を避けたいと思っています。ウクライナはシリアのようなシリアスな戦争状況にまでは至らないだろうという判断です。

もう一つ気になるのは、チャイナリスクです。中国の国内で発行された社債(太陽光パネルメーカー「超日太陽能科技」)が7日に投資家に金利の支払いを出来ずに、債務不履行(デフォルト)になりました。利払い不能となった金額は約15億円2600万円と、それほど大きな金額とはいえません。しかし、さらなるデフォルト波及を恐れ、投資家が資金を引き出そうと解約に殺到するのではないかと見られます。上海株価も2100を割り込みそうです。

先週のこのメルマガでもお伝えしたように、中国では中央銀行が昨年12月から米国債を大量に売却しています。年明け2ヶ月も引き続き売却を進め、外貨準備高を取り崩し、人民元を売り、ドル資金を作り、一部円を買っていると報じられています。

私は、ロシアとは違いバーゲンハンターは中国株に向かわないと思います。なぜなら中国政府は経済危機をコントロールできないだろうという点で、ウクライナよりも危機が拡大する可能性があるからです。

関連記事

no image

活きたおカネの使い方、復興ファンド

  「復興ファンド」を提案する。増税の前に今あるおカネを十分活かす必要がある。現場を知る人、専門知識

記事を読む

no image

日本人は日本を見捨てて生きていけるのか

 今週のダイヤモンド誌「日本を見捨てる富裕層」は興味深かった。同誌が描くジャパン・リスク(円高、デフ

記事を読む

地政学リスクと米国利上げは世界の債券市場に大混乱をまきおこす

地政学リスクが一気に高まっている。ウクライナ東部でマレーシア航空の旅客機が撃墜され、また、中

記事を読む

no image

アベゲドン

安倍政権スタートから早一年。アベノミクスを海外はどう評価しているのでしょうか?   気

記事を読む

no image

欧米の二番底、新興国の景気減速

 米国債のデフォルト(債務不履行)は回避されたが、巨額の財政赤字問題に決着がついたわけではない。 連

記事を読む

no image

春節、金融パニックの始まりか?

 1月のFOMCで量的緩和縮小を続けることになり、日本を初め、米国、英国、欧州市場で株価が大きく下げ

記事を読む

ドル高・資源安、年末にかけての利益確定の調整か

私は今、ニューヨークへ来ている。NYへ移動中の機内で2本の日本映画「永遠のゼロ」と「小さいおうち」を

記事を読む

短期的な相場調整、その後にやってくるE革命

  10月にはS&P500指数が前月比で8.3%上昇し、市場は8月半

記事を読む

no image

量的緩和の出口は? 日本への影響は?

米連邦準備銀行(FRB)は、これまで毎月850億ドルの資産購入額を750億ドルに減らす「量的緩和縮小

記事を読む

no image

見放される日本、中央集権的官僚体制強化へ

1月13日に恒例のモルガンスタンレー・アセットマネジメント主催の新春年金セミナーに顔を出した。会を締

記事を読む

  • じぶんちポートフォリオ ヘッジファンドニュースレター
  • 無料メルマガ

    GSニュースメルマガ

    週1回、大井幸子厳選の最新国際金融・経済情報が届く無料メルマガです。

    登録はこちらから メールアドレスを入力してお申込みください。

  • follow us in feedly rss
  • 無料メルマガ

    GSニュースメルマガ

    週1回、大井幸子厳選の最新国際金融・経済情報が届く無料メルマガです。

    登録はこちらから メールアドレスを入力してお申込みください。

  • PAGE TOP ↑