新興国の政治不安と金融危機について

公開日: : 大井リポート | 

 ウクライナ、スーダン、ベネズエラ、タイ国では、連日デモ隊と治安部隊の衝突が報じられています。
 国際金融市場でグローバルマネーの流れが大きく変わる時、新興国では政治体制が揺らぎ、カントリーリスクが一気に高まり、金融危機を助長する傾向があります。
 歴史上、ソ連や中国で共産党独裁が成立したときには、それ以前の株価や通貨の価値はほとんどゼロになりました。さらに、ソ連共産主義体制が崩壊した後も自国通貨ルーブルの価値が下落し、1998年のロシア危機など大きな混乱が起こりました。
 21日付FT紙は、ウクライナのドル建て政府債(今年6月満期)の利回りが32%に跳ね上がったと伝えました。ウクライナで内戦の可能性をつぶさないかぎり、デフォルトのリスクは消えません。
 また、スーダンの内戦は、ジェノサイド(民族浄化)の様相を呈しています。ウォール街には、現スーダン政権を支えるペトロチャイナ、シノペック、ONGC、ペトロナスに加担する投資をやめようというdivest(投資引き上げ) 運動が始まっています。
 17日付FT紙によれば、 “Investors Against Genocide” を率いるエリック・コーエン氏は、大手年金基金など機関投資家がジェノサイド銘柄からの引き上を求め、TIAA-CREFなど「反ジェノサイド・ポリシー」を適用する基金もあります。しかし、13億ドルもペトロチャイナを保有するJPモルガンはその求めに応じていません。
 ウクライナ、スーダン そしてベネズエラでは、地下資源をめぐる大国間の利権の対立がウラにあります。世界の投機資金が実物資産・資源に向かうなか、国内の権力闘争は大国の代理戦争と言えます。
 グローバルマネーが新興国市場へ再び戻るのは、政治的混乱が収まった後、まだ先になりそうです。

備えあれば憂いなし:テーパリングとヘッジファンド

公開日: : 大井リポート | 

 まず、良いニュースをふたつ。
 第一に、2月11日に行われたイエレン新FRB議長の議会証言が無事終わりました。量的緩和縮小は粛々と続くこととなり、イエレン議長の真摯な態度は議会の承認と市場の信頼を得ました。
 第二に、米政府の債務上限問題は来年3月15日までは無条件で棚上げされることとなり、当分「政府一部閉鎖」の不安は遠のきました。
 一方、悪いニュースは、混乱が続く新興国市場です。資本逃避を防ぐために新興国は金利を上げざるを得ません。市場に流動性が枯渇するリスクが高まります。 (さらに…)

春節、金融パニックの始まりか?

公開日: : 大井リポート | 

 1月のFOMCで量的緩和縮小を続けることになり、日本を初め、米国、英国、欧州市場で株価が大きく下げました。グローバルな資金は新興国株式などリスクの高い資産から米国債やドイツ国債といった安全資産へシフトしています。
 こうした波乱気味の株式市場とは別に、IMFによる今年の世界経済の成長率を見ると、新興諸国の成長率は平均5.1%、中国の成長率は7.5%と高めです。比べて、先進国のなかでは米国の成長率(予想)が最も高くて2.8% です。日本と欧州の成長予測は2%に満たず弱く、根本的な構造改革を必要としています。
 実際の成長率から考えれば、新興国株式は割安感が出て来たところで投資すべきかもしれません。しかしながら、金融市場はそれほど単純ではありません。 (さらに…)

今週注目のFOMC (連銀公開市場委員会)

公開日: : 大井リポート | 

 先週24日(金)のFT紙トップ記事は「アルゼンチン・ペソが2002年以来の大幅下落」(ペソは前週比15.06%下落)、その下には「米国の設備投資の伸びが4年来の低い水準と予想され、中国の成長が低下することからグローバルな需要が弱含む」という内容の記事が並びました。
 24日にはニューヨーク株式市場も前日比318.24ドルも下げました。1997年のアジア危機、1998年のロシア危機を思い出しました。世界同時株安の恐怖を思うとヒヤッとします。こうしたニュースを受けて、28−29日に開かれるFOMCでは、果たしてさらなるテーパリング(2回目の100億ドルの資産購入額を減らす量的緩和縮小)が決定されるかどうか? (さらに…)

世界中が求める「成長戦略」と「構造改革」

公開日: : 大井リポート | 

 デフレ脱却、労働人口の減少、生産性低下に歯止めをかけるなど、どれも日本だけの課題ではありません。FT紙(1月18日付)記事 “Two challenges for the global economy”では、改めてデフレと生産性低下の怖さを再認識しています。
 一般にバブル破綻の後は、信用縮小・デレバレッジが続くため、銀行の融資が細り、中小企業への貸出も鈍るので、倒産が増え景気が冷え込みます。物価が下がり続けるデフレでは、個人消費が増えず、有効需要が縮こまり、財政赤字は増え続け、債務は膨らむばかりです。日本は「課題先進国」です。 (さらに…)

2014年のヘッジファンド見通し

公開日: : 大井リポート | 

 2013年には日本株は56%近く上昇し、世界市場の中で最も優れたリターンを上げました。S&P500指数は30%上昇、ヘッジファンド業界平均リターンは11%でした。(ブルムバーグ動画をご覧下さい。)今年はいっそうボラティリティ(変動幅の大きい)の高い相場環境と予想されています。
 
http://www.bloomberg.com/video/hedge-fund-managers-expect-2014-to-be-stronger-7Ld9J4A~RnS7RlfqdRwWTg.html

 ヘッジファンド全体を見ると、運用資産高10億ドル以上の大型ファンド・ランキング第1位は、Glenview Capital で84.2%と驚異的なリターンを上げました。 (さらに…)

シェールオイルでシフトする米の大戦略 朝鮮半島情勢にも影響を

公開日: : 大井リポート | 

米国のシェール革命はバランスオブパワー(勢力均衡)図を買えようとしています。
エネルギー自足可能となった以上、サウジや中東は米国にとって今までのような経済的重要性はなくなりました。
米国がイランと友好関係に転じるそのウラには、北朝鮮の暴発を止めたいという意図があります。
かつては「悪の枢軸国」と言われたイラン、イラク、北朝鮮。そのなかで、米に歯向かいそうなのは核を持つ気違い染みた北朝鮮です。北朝鮮をコントロールするためには、朝鮮半島統一も視野に入れてきます。中国と韓国が北朝鮮を囲い込み、イランが核技術を横流ししなければ、この地域の安定化がはかれます。
米国がこのシナリオにそっていくと、日本の立場は米中の狭間でますます圧迫されます。
米国にとって、中国と日本が相互に牽制し合い、米国に歯向かってこないことが重要です。
このところ慰安婦問題、教科書歴史認識の問題、さらに安倍首相の靖国参拝が重なり、中国と韓国は日本への批判を強めています。日本は中国が仕掛けた「日本孤立化」の罠にはまったのでしょうか。
シェール革命で地政学上のパラダイムシフトが始動しています。

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MZ2ILJ6JIJV101.html

2014年の日本株の見通し

公開日: : 大井リポート | 

6日、日経平均株価は一時400円近く下げました。日経電子版では「大発会はヘッジファンドなどによる利益確定売りが膨らみ、先物主導で下げが加速した。一方、先物の影響を受けない東証2部株価指数は5営業日続伸」と伝えています。

http://www.nikkei.com/markets/features/30.aspx?g=DGXNMSGD06027_06012014000000

日本市場では、外国人投資家が取引高の三分の二を占めると言われています。昨年は年初から11月末まで外国人投資家の買い越し額は12兆円9千億円と膨らみました。 (さらに…)

量的緩和の出口は? 日本への影響は?

公開日: : 大井リポート | 

米連邦準備銀行(FRB)は、これまで毎月850億ドルの資産購入額を750億ドルに減らす「量的緩和縮小」を公表しました。この程度の縮小はそれほどインパクトがないと市場が判断し、株価上昇が続いています。 (さらに…)

利権が利権でなくなるとき ロシアの場合

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この数日間の海外トップニュースは「プーチン大統領がホドルコフスキー元ユーコス社長を恩赦した」という報道でした。ソ連からロシアに権力構造が大きく変わったときに殖産興業の払い下げで一大勢力となった「オリガーキー」の資金は、主に原油と天然ガスでした。ロシアは原油と天然ガスの生産に力を入れ、また資源エネルギー価格の上昇と相まって経済成長し、BRICsにまでのし上がりました。(原油と天然ガスはロシアの輸出の65%を占めます)。当然、オリガーキーも巨万の富を得ました。ミハイル・ホドルコフスキー氏もその一人でした。プーチン大統領は国家権力の掌握を目指し、新興勢力のオリガーキーを排斥したので、ホドルコフスキー氏は政敵として10年近く捕らえられていました。

今回の「ホドルコフスキー恩赦」のウラには、シェール革命があります。 (さらに…)

テーパリングに伴う急激な円高について

公開日: : 大井リポート | 

このところ103円台の円安です。一般のニュースでは、11月の米国雇用統計で失業率7%に低下し、米国の景気に楽観的な見方が広がり、連銀(FRB)がこれまでの量的緩和を縮小方向に転じる(いわゆるテーパリング開始)可能性が高まったため、ドルが対円で続伸していると伝えられています。

その時々のマーケットの方向感とは裏腹に、円安・円高には金融市場の大きな仕掛けがあると思います。植草一秀氏がその仕掛けについて、「外貨準備米国国債売却のすすめ」(12月2日付)で書かれています。

http://centralshoji.blog.fc2.com/blog-entry-73.html

個人的には植草氏とは意見が異なりますが、外貨準備を用いた円ドルのやり取りを見ていると、通貨のウラに日米同盟の本質が見えてきます。 (さらに…)

PEのドライパウダーはどこへ

公開日: : 大井リポート | 

未公開株、M&A、バイアウトなどで活躍するプライベート・エクイティ(PE)ファンド。巨額の投資資金を背景に、欧米では投資銀行に代わる強力な存在です。

量的緩和(QE)でだぶついた投資資金が、高い利回りを求めて大手有名PEファンドに流入しています。PEファンド側にとっては、投資資金が集まりすぎても困るのです。良いリターンを稼げる案件は限られており、投資できない余剰資金はファンド全体の利回りを下げるためです。 (さらに…)

再び株高とテーパリングについて

公開日: : 大井リポート | 

ダウ平均株価は最高値を更新しています。日本の株価もまた連れ添って上昇しています。多くの投資家がテーパリング(緩和縮小)開始を懸念するなか、株高はいつまで続くのでしょうか?

引き続き、FRBウォッチャーとして著名な山広さん(ブルムバーグ、ワシントン支局)にお話を伺います。

大井: 20日に発表された米小売売上高をみると、10月は+0.4%で予想を上回ったと報じられています。株価は続伸しています。

また、今週木曜の感謝祭から12月25日クリスマスまでの約一ヶ月間、米国ではクリスマス商戦の時期ですね。ニュースでは個人消費が堅調のように見えますが、実態はいかがでしょうか?

リーマンショックの前の住宅バブルでは、住宅を抵当に入れたキャッシュで個人消費が拡大しました。今回も同様のバブルの恩恵を受けてクリスマス商戦が景気を押し上げるでしょうか? (さらに…)

日銀の異次元緩和は世界にデフレを輸出

公開日: : 大井リポート | 

先週は日米共に、株価が上昇し、ダウ平均株価は最高値を更新し、日経平均株価は1万5千円台を突破しました。2020年東京オリンピックや消費税増税の決定にあまり反応がなかったのに、なぜここに来て株価がこれほど上昇しているのでしょうか?そして、上昇はいつまで続くのでしょうか?

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの11月の調査によると、グローバル・ファンドマネジャーは10月に日本への投資を減らし始めました。FT記事(11月14日付 ”Japan’s loss of sparkle frustrates investors”)では、「これからの投資は日本経済への期待感だけで買うことになる」というファンドマネジャーの意見を紹介しています。 (さらに…)

株高は続くが、信用市場は不安定

公開日: : 大井リポート | 

オリバー・ストーン監督「ウォール街」は、1987年に世界的にヒットしました。当時レーガノミックスで黄金期のピークに達したウォール街を象徴するストーリーでした。一方で、同年10月19日に株価が大暴落(下落率22.6%)し、ブラック・マンデーと呼ばれました。

映画でマイケル・ダグラス扮するゴードン・ゲッコーは、企業買収を手がける投資銀行家(インベストメント・バンカー)。好景気に沸くウォール街ではゲッコーのような「乗っ取りや」が巨額の収益を上げていました。投資銀行は企業の買収資金を市場から手っ取り早く調達するために、被買収企業の価値を担保にジャンク債やレバレッジド・ローンを発行しました。 (さらに…)

株価上昇が続くなか、新たな投資機会とは?

公開日: : 大井リポート | 

 先週はテーパリング(量的緩和縮小)開始時期が遠のいたことで、新興国の株価が上昇しました。米国株も上昇を続けています。S&P500指数はリーマンショック直後の2009年3月に底を打ってから約3倍にまで上昇しています。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=SPX%3AIND

 じつは、株式ロング・ショートやアービトラージ系ヘッジファンドにとって、こうした右肩上がりの相場はやりにくいのです。ショートなしで相場の上昇気流に乗ったほうが儲かるからです。 (さらに…)

米国の威信を問う、政府閉鎖の影響

公開日: : 大井リポート | 

バークレイズの推計によると、このところの「政府閉鎖」のコストはGDPの0.25%にも及びます。迷惑を被ったのは米国民だけではありません。特に、FRBの「テーパリング(緩和縮小)」を期待していたグローバルマクロ系ヘッジファンドにとっても、「政府閉鎖」でテーパリング延期となり、見通しが外れる結果となりました。

そんな中、大手ヘッジファンドのキャクストン・アソシエイツのアンドリュー・ロー会長は、米国経済の腰が弱く、「テーパリングは既に選択肢にはない」と明言しています(10月21日付FT紙)。キャクストンは年初、米国経済に強気で米国債をショートしましたが、この数週間では「テーパリングなし、ゼロ金利持続」の見通しに切り替え米国債に投資をし、大きな収益を上げました。 (さらに…)

米国は大分裂状態 鳩派で平和主義のイエレン氏が世界を救う?!

公開日: : 大井リポート | 

米国の「政府閉鎖」の解除と「債務上限引き上げ」問題は、民主・共和両党がギリギリの折衝が続いています。世銀、IMF、大手投資銀行のあらゆる有力者が、この問題を解決するように呼びかけています。米国が債務不履行になるという悪夢は現実になるのでしょうか?

10月に入ってからマーケットでは「万が一」のリスクに備える動きが見られます。米国債市場では短期国債(T-bill)がリスク・フリーではなくなりつつあります。大手金融機関や企業同士の米国債を担保にした短期資金借入のレポ(Repurchase)取引、キャッシュ・マネジメントにも支障が懸念され、短期市場から資金が流出し、短期金利を押し上げています(10日付FT紙記事“Collateral crunch fear as T-bill yields leap”)。 (さらに…)

テーパリング見送りの真の意味は? FRBウォッチャー山広さんへのインタビュー

公開日: : 大井リポート | 

今週は、18日のFRBの予想外の決定について、山広さんのお話を伺います。

山広恒夫(やまひろ つねお)さんの略暦。
ブルームバーグ・ニュース・ワシントン支局エディター。1950年生まれ。73年青山学院大学史学科卒業後、時事通信社入社、同社外国経済部、ロンドン特派員を経て、英ジェームス・ケーペル証券シニアエコノミスト、共同通信社ロンドン特派員、ワシントン特派員、金融証券部次長を歴任。2000年からブルームバーグ・ニュース・ワシントン支局勤務。FRBウォッチャーとして、ブルームバーグ・ニュース・コラム「ワシントン便り」などで米国経済・金融政策について情報発信。
著書『バーナンキのFRB』(共著)、『オバマ発「金融危機」は必ず起きる!』(朝日新聞出版)

大井: 山広さんはつい最近、『2014年、アメリカ発 暴走する「金融緩和バブル」崩壊が日本を襲う』(中経出版)を出版されました。

http://www.amazon.co.jp/2014年、アメリカ発「金融緩和」バブル崩壊が日本を襲う-山広-恒夫/dp/4806147869/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1379809582&sr=1-1&keywords=山広恒夫

この本で山広さんは、「2014年に米国に最大のバブル崩壊が始まる。リーマンショックが100年に一度の規模であれば、500年に一度というほどの規模である。米国発の危機は世界に波及し、同時不況となり、当然、日本の経済も破綻する可能性がある」と仰っています。

つい先週、9月18日のFRB政策決定会議では、量的緩和(QE)縮小(テーパリング)開始が先送りとなりました。さらに緩和が続き、バブルが膨らんで行くという状況にあります。そうなると、山広さんのおっしゃる危機の規模がますます巨大化します。株価は上昇していますが、失業率や景気が本当によくなっているのでしょうか?どこか空虚な感じがします。

山広:拙著で示しましたシナリオが徐々に実現に向かう兆候が表れ、今回のテーパリング狂想曲はその序章になるものと考えております。

まず、チャートをご覧下さい。
このところ発表された景気先行指標には、QEで常軌を逸している株や集計システムの問題で下振れしている失業保険申請件数などが含まれており、信頼感がなくなっているので、あえて、コンファレンスボード遅行指標としての「個人所得と借入比率」の軌跡を見てみました。 (さらに…)

米大手ヘッジファンド、上海に進出

公開日: : 大井リポート | 

 「先を超された」と私は感じました。中国は本格的なオルタナティブ投資を始めます。その手始めに、トップクラスのヘッジファンド六社に対して上海が上陸を認めたようです。「上海シックス」と称されるファンドは、キャニオン・パートナーズ、シタデル、マン・グループ、オークツリー、オクジフ、ウィントン・キャピタルの六社で、上海当局から5千万ドル (約50億円)ずつ(六社で総額3億ドル=約300億円)の、ファンド・レイジングの許可を得ます。 (さらに…)

東京オリンピック、うかうかしていられない次の7年間

公開日: : 大井リポート | 

 東京オリンピック決定について一言。
日本株は強気に転じていますが、7年後までもつでしょうか。次に消費税問題、その次にTPPがやってきます。
 消費税について、国民的な議論をしてくれたことは安倍首相には感謝すべきでしょう。そこで、税率を上げるならば、ちまちま上げないで、思い切って覚悟を示して上げてほしいです。たとえば「2年後には10%になります。その代わり、そのあと10年間は上げません。国民に負担を強いる分、公務員改革を含む行政改革を進め、スマートで強い政府になります。」こうはっきり言ってもらった方が、中小企業も覚悟を決めて頑張れます。2020年以降、団塊の世代が消滅して行き、財政も縮小均衡に向います。そこまで頑張れれば、また赤字が亡くなってくれば税率を下げてもらいたいです。
 次に、TPPです。苫米地英人著『TPPが民主主義を破壊する! 巨大資本による世界征服への恐るべきシナリオ』が指摘するとおり、TPPは国家主権をも超える条約です。巨大資本の代理人である有力法律事務所が巧みな条文を作成しています。
 この条約は、国内の既得権益の撤廃には有効ですが、同時に国会議員すら存在意義を失います。族議員の利権もすっ飛びます。グローバル化が日本列島に上陸して生き残れる政治家がどのくらいいるでしょうか?
 そうしたTPPの津波に耐えられるよう強靭な国体を作っておかないと、外圧にねじ曲げられてしまいます。福島原発問題、議員定数削減などあらゆる問題の抜本的な改革に着手し、政府はまず自国の財産と国民を守るべきでしょう。うかうかしていられません。

金融政策だけでは失業は解決しない

公開日: : 大井リポート | 

 FRBがテーパリングに踏み切るかどうかは今月18日には判明します。その手がかりとなる8月の失業率が6日に7.3%発表されました。前月の7.4%からやや改善しているものの、実態は、51万6千人もが職探しをあきらめ、労働市場への参加率は63.2%と1978年以来の低さとなっています。 (さらに…)

シリア情勢とテーパリング

公開日: : 大井リポート | 

 ジョージ・クルーニー主演の「シリアナ」は、 ロバート・ベア原作『CIAは何をしていた?』に基づくスリリングな映画です。「シリアナ」とは、シリアとイラン、イラクを束ねた架空の国家です。2005年の封切りですが、米国の政財界と産油国との利権の関わり、イランのテロ組織の実態などを実によく描いています。現在のシリア内戦や中東情勢の不安定化を予期させます。
 オバマ大統領は、日本時間の日曜午前2時半頃に緊急会見を行い、シリアへの軍事介入の意図を明確に示しました。米国の介入は短期的、局所的とみられますが、いったん介入すれば、ロシア・イラン・中国との代理戦争が本格化し、イスラエルのイラン核施設への攻撃、各地でイスラム過激派のテロ活動が活発化しそうです。この戦争は「アラブの春」の延長線上にあるのですが、その出口戦略は極めて難しいと思われます。 (さらに…)

米国の中東政策、失敗した大戦略

公開日: : 大井リポート | 

 シリアの内戦が激しさを増し、多くの市民が化学兵器の犠牲になっています。ウォールストリート紙ウィークエンド版にはビニール袋に包まれた多数の死体が床に並ぶ痛ましい写真が掲載されました。さらに衝撃的なのは「失敗に終わった大戦略: Our Failed Grand Strategy」(WSJ Aug 24-25) というオバマ大統領の中東政策を批判する記事です。
 エジプトではムスリム同胞団のモルシ氏が拘束され、ムバラク元大統領が政権に返り咲く動きが出るなど内戦直前の緊迫した情勢です。エジプトでは軍部が国民経済の40%を占めるなど、圧倒的な権力基盤を保持しています。
 隣国トルコではエルドアン首相がジャーナリストへの思想弾圧を強めるなど、抑圧的な動きを加速させています。また、イスラエルは23日、レバノンのロケット弾攻撃の報復としてベイルート近郊を空爆しました。中東のメルトダウン・全面戦争がいつ起こるか不穏な動きが重なっています。 (さらに…)

ヘッジファンドとプライベート・エクイティが米国企業金融のメインストリームに

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 大手百貨店JCペニー、アップル社、ピアノの名門スタインウェイの経営に、大物「アクティビスト」たちが乗り出し、フレンドリーもしくは敵対的な「もの言う投資家」としてヘッジファンドとプライベート・エクティが企業金融に多大な影響力を行使しています。
 ヘッジファンドのパーシング・スクウェア(Pershing Square Fund)を率いるのはビル・エイクマン。パーシングはJCペニーの18%を保有しています。FT紙(8月14日記事)によれば、2011年、エイクマンは、当時のJCペニーのCEO(最高経営責任者)マイク・ウルマンを解任し、ロン・ジョンソン(元アップルのリテールの責任者)をCEOにすえました。しかし、ジョンソンは17ヶ月で失脚しました。2012年に、JCペニーの売上は25%も落ち込み、株価は57%下落しました。エイクマンはその責任を取って取締役を辞任しました。そして、ウルマンが再びCEOに返り咲きました。ジョージ・ソロスもまたJCペニーの約8%を保有しており、エイクマンとは反対の立場を取っていました。 (さらに…)

避けられた戦争; パーセプション・ギャップの積み重ねが平和を壊す

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 本日は終戦記念日にあたり、緊急特集で小松啓一郎先生とのインタビュー記事を配信します。歴史認識の問題がいかに深いか、そして日本政府がこれまできちんと取り組んでこなかった慢心を思います。太平洋戦争では310万人もの命が失われました。
 その太平洋戦争に至るまでのギャップの積み重ねについて、小松啓一郎博士に伺います。 (さらに…)

QEが終わり、構造改革がやってくる

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 去る5月22日にバーナンキFRB議長が量的緩和(QE)縮小を初めて示唆したことから、債券市場は弱気に転じ、投資資金は債券から株式へシフトしています。
 かつて、1994年と2003年に、連銀が短期金利を急ピッチで上昇させたために債券相場が大きく下げたことがありました。
 FT紙マイケル・マッケンジー記者は「QE終了が債券市場の売浴びせを招く」と述べ、今回の債券相場の下げ要因が、連銀が債券購入で長期金利上昇を抑制してきた政策を変更することにあると指摘しています(8月10/11日ウィークエンド版 “End of QE set to drive bond sell-off to remember”)。 (さらに…)

FRBはペーパーバック・ライター

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 先週、FRBの政策決定会議(FOMC)で量的緩和(QE)持続と発表されました。まだペーパーマネー全盛が続くという意味にもとれます。問題は、いつまで?
 グリーンスパン元FRB議長は、かつて自ら作り出した住宅バブルを「根拠なき熱狂」と警告しましたが、今のFRBはお札(ペーパーマネー)を市場に回す輪転機のようで、「根拠なきペーパー」を警告すべき立場にあります。 (さらに…)

デトロイト市破綻から地方債で揺れる債券市場

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 米国では第二四半期の好調な企業決算を受けて株価が続伸。GM(ゼネラル・モーターズ)社も増収となるなか、その本社があるデトロイト市が財政破綻しました。地方自治体の破綻は破産法「チャプターナインChapter 9」に准じて処理されます。
 デトロイト市は地方債(Municipal bond: 通称Muni)を発行しています。破綻の際、地方債を保有している投資家(債権者)がどう扱われるか注目されています。有力紙バロンズ(7月21日付)Randall Forsyth記者が”The Harsh Lesson of Detroit”が詳しく解説しています。 (さらに…)

QE(量的緩和)の効用と不安

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 FRBバーナンキ議長が「QE続行、縮小はまだ先」と示唆し、ウォール街ではメガバンクの第2四半期の好調な決算発表が続き、資金は債券から株式へと資金がシフトしています。米国株は2008年来の高値をつけています。  
 ベストシナリオは「景況が良くなり長期金利が緩やかに上昇し、株価も右上がり」ですが、過剰信用で生じたバブルはどこかで破綻しなければならず、実体経済とのギャップが大きければ、市場のボラティリティを高めます。 (さらに…)

QE とBRICSとの新しい関係

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 この3週間近く、FRBによる量的緩和(QE)が縮小に向かうというニュースが、国際金融市場に様々な影響を及ぼしています。特に、新興市場については、QEでじゃぶじゃぶになった投資マネーが干え上がるにつれ、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南ア)市場で株価下落などの影響が懸念されています。 (さらに…)

再びチャイナリスク考

公開日: : 大井リポート | 

 中国、ベトナム、北朝鮮。この三国はアジアで社会主義を掲げています。米中が接近するなか、ベトナムはうまく二股かけています。中国と経済連携を深め、米国と軍事的連携を深めています。今週も中国に関するニュースをお届けします。 (さらに…)

潮目が変わるとき

公開日: : 大井リポート | 

 7月5日に米国の失業率(6月)が発表になりました。米国の景気は上向き、FRBによる量的緩和(QE)も9月には具体的な出口戦略が出てきそうです。マーケットではQEが出口に向かうことで長期金利が上昇しています。
 日本でもまた、長期金利が上昇に転じ、今後20年は今までの「失われた20年」とは異なる金利事情を想定する必要がありそうです。
 ゼロ金利政策や大規模な量的緩和といった一連の金融政策は、経済を一時的に元気づけるカンフル剤の効果はあります。しかし、長くカンフル剤を打ち続けると、元気になれない体質になってしまいます。
 さらに、日本では、金融危機が起こるたびに財政支出を増やし、モラトリアム法では体力のない企業を支援・救済してきました。バブル崩壊後20年で、政府の財政赤字は危機的レベルまでに膨れ上がっています。
 長期金利上昇は、住宅ローンを始め企業の設備投資など融資を必要とする多くの経済活動に影響を及ぼします。金融機関が金余りの状況にありながらお金が回って行かない状況で金利が上昇すれば、経済活動に支障が出ます。景気先行きが不透明になるにしたがい、短期金利も上昇するとなるとさらにやっかいです。
 潮目が変わるのは、日本だけではありません。この四半期(4—6月)で、米国債のリスクが高まり、金価格もこの百年で最大の下げ幅となりました。中国株も15%下げ、ブラジルレアルも8%下げました。
 2013年後半から14年にかけて、日米間の格差が拡大します。米国ではシェール革命で国内のエネルギーコストが下がり、製造業が復活しています。その典型が米国自動車産業で、米国からの輸出台数は百万台を超えています。
 さらに、米国では資源エネルギーの輸入が減少し、貿易赤字が減少しています。また、2014年にはイラク、アフガニスタンから撤退することから軍事費も削減されます。米国はこの10月から財政赤字削減を始めますが、貿易赤字、財政赤字は健全化に向かうと見られます。
 米国に比べて日本は、高い資源エネルギーを海外から調達しなければなりません。貿易赤字は慢性的に増える傾向といえます。輸入インフレで食品やガソリンなどの物価上昇にもつながります。さらに、国内の有力企業は米国へ生産拠点を移すなど、製造業では空洞化が進むとみられます。
 金利上昇で債券から株式へと投資資金がシフトする理由から株価が上昇するとしても、景況が好転しているとは感じられないでしょう。
 日本はこれから参院選が始まります。すでにアベノミクスは過去のものとなりつつあります。金融緩和をしても中小零細にはお金が回らないという構造は、ゼロ金利にしたときと同じ課題なのです。このまま消費税を上げて行くと、過去の過ちを繰り返すのではないかと心配です。

日本のQEは道半ば、マーケットと対話しよう

公開日: : 大井リポート | 

 この数週間の急激なマーケットの動きをまとめると、1)新興国通貨の下落、2)日本株の下落、3)米国債利回りの上昇、4)インフレ懸念が弱まる、5)ユーロ・円に対してドル安が進んだ。以上は、FT紙のベテラン、ジョン・オーサーズ記者 ”At times like these, avoid those who say they know” (FTウィークエンド版6月15日)からの一部引用です。 (さらに…)

FRBとマーケットのポーカーゲーム: ウォジンローア博士による金利予測

公開日: : 大井リポート | 

アルバート・ウォジンローア博士は、かつてボルカー氏と連銀で机を並べた往年のエコノミストです。博士の金利予想には定評があります。現在、マンハッタン5番街にオフィスを構える某ヘッジファンドのアドバイザーをされ、私は博士から四半期ごとにマーケットコメントを頂いています。

直近のコメント(6月14日付け)は、” A Strange Poker Game”(マーケットと連銀の奇妙なポーカーゲーム)がそのタイトルです。 (さらに…)

金融ツワモノブログ 第二回

公開日: : 大井リポート | 

 今回のツワモノは、若き地政学者として大活躍中の奥山真司さんです。

奥山さんは、日本の高校を卒業後、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学に留学し、地理学科および哲学科を卒業。その後、英国レディング大学大学院戦略学科で修士号及び博士号を取得。

地政学が実践にどのように役に立つかについては、奥山さんのブログや著書をご覧下さい。『世界を変えたいなら一度”武器“を捨ててしまおう』(フォレスト出版)は大人気です。
http://geopoli.exblog.jp

http://www.realist.jp/geopolitics.html

テーマは、「復活する地政学!」 
シェールガス革命の地政学的な意味についての対談をお楽しみ下さい。 (さらに…)

アベノミクスの行方 株価暴落はあるのか?

公開日: : 大井リポート | 

 5月の最後の週、米国でメモリアルデイ・ウィークエンドがやってくると「夏が来た」と感じます。子供たちの学校は夏休みに入り、家族旅行に出かける人が増えます。この頃、毎年マーケットが一服、調整局面に入るケースが見られます。

 先週、日経平均株価は日に7%下落とボラティリティが高まりました。2001年世界同時多発テロ(9・11)で米国で株価が7%近く下げたショックを思い起こしました。当時、米国では愛国心が高まり、米国の投資家は「テロに負けるな」と猛然と米国株を買い支えました。

 日本の株式市場では外人投資家が主なプレーヤーです。彼らが先物やデリバティブで仕切って、現物株は国内の投資家が買っています。ちょうどドッジボールで、コートの中には国内の投資家がいて、ボールは外の外人たちが持ち回り、内側に向かって投げてくるといった構造です。
 
 では、株相場はこれからどうなる?まさにアベノミクスの正念場です。 (さらに…)

デフレ下のスタグフレーション

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 米国も日本も凄い勢いで量的緩和を進めています。経済学の常識では、こんなにマネーの供給が増えればインフレが起こりそうなものです。しかし、マネーは実体経済には向かわず、デリバティブ市場など金融の内輪だけで激しく回転して相場を荒らします。 (さらに…)

日本の認識のズレがコワい

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 憲法記念日の前日、FT紙に”The threats to Asia’s fragile balance of power: The world’s most vibrant region is also potentially its most combustible 5月2日付)「アジアの脆弱な勢力均衡を脅かす要因について」いうスティーブンズ氏による興味深いコメンタリーが掲載されました。
 日米同盟に関する日本と米国の認識のズレが、分かりやすく説明されています。以下、オバマ政権にとって「アジアへの軸足」はどのような勢力均衡図を描いてのことなのかについて、要約を記します。 (さらに…)

金価格下落が問う、インフレ懸念はホンモノか?

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 今、本屋さんに行くと、アベノミクスについて多くのビジネス書が平積みになっている。新刊書のタイトルをみると、内容はインフレーションやリフレーションの見通し、日本が復活するか沈没するか、楽観論と悲観論とに分かれる。 (さらに…)

米国債は打ち出の小づち

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 往年のエコノミスト、ウォージンローア博士のレポート(3月15日付)によれば、米国の民間部門は堅調だが、政府部門では「財政の崖」が懸念材料だ。今年は社会保障費の値上がりや増税で家計の消費や借入がそれほど伸びない。そのため、企業の設備投資の回復がややくずついている。
 日本と同様、米国でも民間部門にはお金があふれ、政府部門は赤字財政を抱える。日本では民間のお金が国債発行を引き受けて政府の赤字を補てんしている。米国では事情が異なる。「財政の崖」と言われながらも、ウォージンローア博士は「米国のバランスシートは心配ない」と述べている。 (さらに…)

ベルルスコーニはいたこのイタロー

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 昔、戦中派の父が「イタ公はあてにできない、ドイツだけと組んで戦争すればよかった」と言っていた。子供の頃イタリアとはそういう国かと思っていたので、かつて「潮来(いたこ」の伊太郎」という歌が流行った時、「いたこ」とはイタリア人のことで通称イタローと呼ばれているのだと思っていた。
 2月26日に「イタ公」ことベルルスコーニ元首相のおかげで市場が下げた。日本株の目利き運用者S氏は「小回り3カ月といって、だいたい上げも下げも3カ月で一服する。ちょうど民主党の野田氏が解散を表明して3カ月たつので、そろそろ調整かというところ。ストラテジストは下げの言い訳ができてイタリアに感謝しなければ」と話していた。 (さらに…)

日本の最後のチャンスか。トリプル安がやってくる

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 TPP交渉参加がままならないなか、オバマ大統領との会談を1週間後に控え、安倍総理には米国に持っていく「お土産」がない。なかなか悩ましい。 (さらに…)

建国の礎とは

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 威力業務妨害でインターネットで他人になりすました容疑者が逮捕されたというニュース。昨年秋、インターポールで活躍するネット犯罪専門家Bさんと話す機会があった。「ネットは精神の下水道」で、チャットなど90%が誹謗中傷とダークな内容だとBさんは語る。ネット上の匿名性が陰湿な人間性を露にさせ、犯罪へ駆り立てていく――暗く陰湿な空間がネット社会の裏側に広がっている。 (さらに…)

北朝鮮核問題は中国のSOS

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 北朝鮮の核実験が現実味を帯び、米中韓では危機感が高まっている。中国国内で人民解放軍の巻き返しの切り札が核実験と言われており、北朝鮮は中国の権力闘争に巻き込まれている(長谷川慶太郎『中国大分裂』2012年)とみれば、中国共産党政府はこの危機を国際的に注目されることでSOSを発信しているととらえられる。北朝鮮の核弾頭は、米国や日本だけではなく、北京をも直撃するリスクがあるからだ。 (さらに…)

「財政の崖」っぷち、危機迫る米国

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 私が最も信頼する往年のエコノミスト、アルバート・ウォジンローア博士のレポート(12月14日付)を読む。博士は元ボルカー連銀議長とニューヨーク連銀で机を並べ、その後ファースト・ボストンなど投資銀行でエコノミストとして活躍された。現在は米国の某ヘッジファンドのアドバイザーをしている。
 ウォジンローア博士の今年最後のレポートは「財政の崖からの転落」というタイトルで、その内容を以下、簡単にまとめてご紹介したい。博士は米国経済の先行きに危機感を募らせている。 (さらに…)

中国封じ込めと新たな日米関係

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 泥の中に根を張り咲き誇る蓮の花――アウンサンスーチーさんはその大輪のよう。美しいアウンサンスーチーさんの肩を優しく抱き抱えるオバマ大統領の写真が19日の各新聞のトップを飾った。
 翌日20日に、ある研究会でケント・カルダー氏にお会いした。カルダー氏はわが母校、ジョンズホプキンズ大学高等国際関係大学院(通称SAIS)のライシャワー東アジア研究所の所長を務められている知日派である。 (さらに…)

G2の誕生:軍事空間を超えた21世紀の戦争、新しい安全保障とは?

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2012年11月、G2(米中)にオバマ大統領と習近平というリーダーシップが確立した。次の10年、G2に挟まれた日本は、どのような戦略を持って生き延びていかなければならないか?日本の死活問題である。
 21世紀の最初の10年は、米国覇権主義とグローバル化の時期だった。また、米国は、世界同時多発テロの直後から「テロとの戦い」を掲げ、イラク、アフガニスタンへ侵攻した。しかし、2008年9月に自らが引き起こした金融危機(リーマンショック)によって、高価な戦争には歯止めがかかり、今は勢力をユーラシア大陸から西太平洋側まで撤退させている。G2の間には日本と朝鮮半島がすっぽり入る。 (さらに…)

フォークランドの領有権

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私の妹は米国マサチューセッツ州ボストン郊外に住んでいる。

今月末に一時帰国する予定だが、「この時期に日本に行くのは危ないよ。
中国と戦争になりそうだからね」と米国の友人に言われたという。 (さらに…)

尖閣諸島は日本の領土だ。

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谷山雄二朗氏の動画を見る。
わかりやすい。事実を事実と認めれば、尖閣諸島は日本の領土だ。
日本は民主主義国家であり、事実を知り、真実を語ることができる。
中国には民主主義がなく、政府は事実を隠蔽し、嘘を突き通す。
日本では憲法が人権を保障し、国民は自由に考え、発言することができる。
中国ではいつ抹殺されるかもしれない恐怖から、言論の自由はないに等しい。
「悪貨は良貨を駆逐する」というグレシャムの法則がある。
国際政治において同じことが起こってはならない。 (さらに…)

大戦略と国際金融の時代

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大戦略と国際金融の時代

21世紀の次の10年で世界の流れはどうなるのか… そんな問題意識を持って、国際金融と地政学リスクを統合した先読みを試みました。このセミナーは、これからの日本を背負う若い世代に向けたメッセージであります。

(さらに…)

「財政の崖」から転落するとハイパーインフレがやってくる!?

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ニューヨーク・タイムズ紙によると、大手ヘッジファンド、ムーア・キャピタル・マネジメントのベーコン社長は、運用資金の一部の20億ドルを投資家に返済すると発表した。運用せずに返してしまうその理由とは、一言でいえば運用難。いわく「第二次大戦後これほどまでに政治的な力が自由な市場経済の活動を制限したことはない。特にメルケル首相一人の意思決定が世界の市場に大変な影響を与えている」。 (さらに…)

本格化するエネルギー革命

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 2000年4月にITバブルが破たんした。21世紀にはいってIT革命が行き着いた先は、Facebookを頂点とするSNSであった。
 たしかに、情報通信の技術革新のおかげで、インターネット、携帯電話、iPodなど次々と新しいツールが普及した。IT革命は人々のコミュニケーションの在り方を根本的に変えた。 (さらに…)

ライボーとはランボーな。。。

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 知人の政治学者はLIBORを見間違えてリブロ(書物)と発音しそうになった。「ライボー」とすっと言えれば金融関係者である。それほどLIBORの問題そのものが一般の人々になじみがない。
 LIBORはLondon Inter-Bank Offered Rate(ロンドン銀行間取引金利)をいう。この銀行間の金利は、資金の出し手が提示するレートである。毎営業日のロンドン時間で午前11時に、指定銀行が提示するレートを英国銀行協会が集計し、上下数行の数字を除いた平均値を発表する。LIBORは一カ月、三か月、六か月、1年のレートがあり、このレートが金利水準のベンチマークとして貸出の金利の基本になる。 (さらに…)

忍び寄る米国株バブル

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 2008年のリーマンショックで、米国の一般の生活者は大きなツケを払うはめになった。住宅バブルが破綻し、米国の家計は、住宅ローンという借金と持ち家価格や株価の下落によって資産が目減りするというダブルパンチをくらったのだ。
 リーマンショックから4年がたち、米国の家計は借金付けから少し立ち直っている。マイルストン・アセットマネジメントの7月のレポートによれば、家計の負債と可処分所得との関係をみると、負債残高は減りつつある。米国人は経済危機で消費を控え、借金返済にまわしていった。負債残高の可処分所得比は、2007年で131.25%とピークをつけ、2012年第一四半期には110%台を割り込んだ。 (さらに…)

JGBバブルとジャパンリスク

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 欧州危機の影響で、グローバルな投資マネーはギリシャやスペイン、エマージングといったリスクの高い市場からドイツ、日本、米国の国債といった安全な資産へシフトしてきた。日本国債(JGB)は海外からの需要で値上がりし、しかも円高が進み、ダブルでしこっている。いわば「JGBバブル」の様相を呈している。 (さらに…)

オルタナティブ投資の効用

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セミナー風景

以下は、4月12日にキーストーン・パートナース年投資家総会の基調講演でお話した内容です。

私は2007年に東京に戻るまでの約20年をウォール街で過ごしました。レーガン大統領の時代から、二度にわたる湾岸戦争、同時多発テロ、ITバブルや住宅バブルの生成と崩壊、など多くを体験しました。 (さらに…)

【グローバル視点から見た資産の守り方】まとめ1

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グローバル視点から見た資産の守り方の動画をまとめました。 (さらに…)

日本を覆う三つの大危機

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本日はニューヨーク時代からの旧友、森田隆大さんとランチ。私たちは、日本はすでに危機的とみている。日本を覆う3つの危機について、以下整理して述べる。
① 年金基金の切り崩し
年金積立金管理運用独立行政法人(通称GPIF)は、約116兆円の運用資産残高を有する世界最大級の公的年金金である。団塊の世代が年金生活に入り、今後は毎年9兆円近くの資産を受給に充てるため切り崩していく。2020年にはGPIFの資産残高は60兆円になると予想される。 (さらに…)

【グローバル視点から見た資産の守り方】TPP

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TPPとは、アメリカがテロとの戦いを終えて、経済と軍備の勢力を環太平洋地域に集中させようという『大戦略』の一部です。TPPは、現在の日本の立場では避けては通れなくなっています。TPPをチャンスに変える『大戦略』を日本が考える時にきています。

【グローバル視点から見た資産の守り方】大戦略

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日本には,『大戦略』がありません。これが、日本の問題になってます。
企業が国際化するときに戦略があるように、国もどうやって生き残って優位性を保っていくかという戦略が必要です。これからも、アメリカ、中国、ロシアなどの経済的に力がある国々の、『大戦略』が国際金融、経済の流れのキーポイントになります。日本にも『大戦略』が必要なことを認識したいと思います。

書評:『サムスンから学ぶ勝者の条件』たちばな右近 著 

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韓国とサムスン――国家と企業という観点から、グローバル化をひたすら走るサムスン、そしてかつての高度成長の栄光を失いガラパゴス化する日本の大企業。この違いはどこから来るのか?
著者は、1972年に東芝入社、映像商品技術グループ長を務めた後、2002年にサムソン電子に入社。デジタルメディア社の常務取締役となり、その後2009年に中国BOE社非常勤役員CTO兼務という経歴である。まさに日本・韓国・中国の企業の経営幹部として現場を渡り歩いた経験を持つ。著者の言葉には実体験の裏付けがあり、真に迫るものがある。 (さらに…)

フェニックス救援隊といっしょに女川へ

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3・11大震災から1年たってようやくボランティア活動の機会に恵まれた。東北被災地で救援活動を行っているフェニックス救援隊のお誘いを受け、企業年金基金連合会東京地方協会の関係者ら31名と2日間行動を共にした。
モルガンスタンレー・アセットマネジメントで年金営業を担当してきた古川千春さんは、新潟の実家が中越地震で被害を受けて以来、災害の現場にかけつけて救援活動を行うようになった。3・11大震災後も被災地にいち早く現地に入り、野外風呂を設置するなどボランティア活動を開始した。古川さんが始めた活動に一人二人と仲間が加わり、今では古川隊長以下、百人以上が参加するフェニックス救援隊となった。 (さらに…)

【グローバル視点から見た資産の守り方】21世紀の次の10年

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これからの10年、世界でどうゆうことが起きて行くかについてビデオを制作いたしました。アメリカの大戦略が大きく転換したためにグローバル化の巻き戻しがおこっています。アメリカによるテロとの戦い終了後、アメリカを中心とした勢力均衡がどう進んでいくのか、TPPを日本は避けられるのか?について、私なりの見解をまとめてみました。

ヒュームの「正しいお金の守り方」

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 先日、大学院時代の仲間と食事会をした。私は友人たちに出たばかりの新書『正しいお金の守り方』をプレゼントした。すると、坂本達也教授から『ヒューム、希望の懐疑主義:ある社会科学の誕生』(慶応義塾大学出版会)をプレゼントされた。ヒューム自身の肖像が表紙になった美しい装丁の本だ。 (さらに…)

2012年はソフトランディング

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 年明けから、ギリシャ国債デフォルトやホルムズ海峡封鎖といったリスクが高まった。が、じっさいは「貧すれば鈍する」といった状況で、お互いの経済を叩きあっても益がないというのが冷静な判断だろう。よって、無益な衝突を起こさない、戦争をしないように、金融市場でも大きなショックを起こさないように、相互にソフトランディングを模索するだろう。その意味で、選挙イヤーの今年は主要国の外交など大戦略に注目したい。 (さらに…)

雑感;日本が世界で勝てるもの

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  お正月に、NHKプレミアで在住米国人の格闘家ニコラス・ペタス氏が日本の武道を紹介する海外向けの特別番組を見た。ペタス氏が日本の武道一般(合気道、弓道、空手、柔道、剣道、相撲)と古武術について、その道の先生に指導を受けながら、歴史と精神について理解を深めていく。滞日20年の米国人の目を通して、日本において武士とは何か、武士道とは何かを追求していく内容である。 (さらに…)

2012年のFat Tails

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  今年はすべてが試され、旧態依然の権威が地に落ち、どんでん返しが起こるときだと感じている。日本についても、世界についても。 (さらに…)

北朝鮮はどうなるか、アジアの不安定化は進むのか

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 19日正午のNHKニュースで、北朝鮮指導者、金正日の死去が伝えられた。その日は1時半に東京産業人倶楽部のグループで野田首相を表敬訪問する予定だった。車で首相官邸に到着する直前に、私たちとの面談はこの緊急事態でキャンセルになったと知らせが入った。1時前の首相官邸には報道陣や関係者が詰め掛けていた。私は首相官邸をめがけて核ミサイルが飛んでくるのではないかと不安で、なるべく早くその場から離れたかった。官邸周辺の街の様子は驚くほど平常だった。 (さらに…)

自顕流三昧の一日

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 11月25日の夕方に羽田から鹿児島へ発った。その前の週に軽いぎっくり腰をやったので心配だったが、なんとか体はもった。26日朝、南洲神社に向かう。 (さらに…)

TPPと次の10年

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  昨年は「平成の開国」と取り上げられたTPP(環太平洋経済連携)がクローズアップされている。ちょうど、ジョージ・フリードマン教授の著書、”The Next Decade”(翻訳『激動予測』(早川書房)を読み、TPPの地政学上の意味を考えてみた。

 同書の第10章「西太平洋地域に向き合う」では、日本、中国、韓国が米国にとって次の10年でどのような意味を持つようになるのかがはっきりと示されている。要点をまとめておこう。 (さらに…)

経済的合理性を貫けない政治は国を滅ぼす

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 大衆迎合主義や衆愚政治は、国家財政の破たんと大量失業といった経済的な苦難を国民にもたらす。

 国民へのばらまき財政、税金をまともに徴収できない、国が赤字をごまかすといった規律・節度のないギリシャが破たんするのは理にかなっている。こんな経済合理性のない国がまかり通るのであれば、資本主義そのものが成り立たない。 (さらに…)

タイの洪水は世界経済に打撃

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 タイの洪水の被害がすごい。報道番組「バンキシャ」によると、国土の三分の一が水浸しになっている。日本の主要メーカーはタイにアセアンでの生産基地を置き、特に自動車産業ではアセアン相互補完構想(AFTA)によってアセアン域内の関税0-5%というメリットを活用し、タイで基幹部品を製造してきた。タイはその技術力でアセアン市場の中核となってきた。タイは日本のメーカーにとって世界の製造拠点になっており、今回の被害で全世界に影響が出そうだ。 (さらに…)

QEは金融政策の誤り

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 大手ヘッジファンドのレポート「QE(量的緩和)の効果は極めて限定的」を読んでいる。QEは日本、英国、米国で実施された。その効果を実証すると、株式市場をちょっと浮上させる程度だという。それでも、QEは続いており、市場は金融政策当局への疑念を強めている。 (さらに…)

TPPは日本の農業を変える外圧か?

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  日本は外圧がないと自らの仕組みを変えることができないらしい。狭い島国は規制と既得権益が複雑に絡み合ったずぶずぶの状態で、誰もどこから手をつけてよいのかわからない。日本で改革が進められないのは、こうしたずぶずぶ状態を日本の秩序として維持することをみずからの使命と固く信じてやまない勢力があるためだ。 (さらに…)

ギリシャは既に破たん、次はイタリア、そして日本?

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 IMF総会に参加した知人がその深刻な様子を話してくれた。IMF総会にはバーナンキFRB議長やトリシェECB総裁を含め、国際金融を司る最重要人物が顔をそろえていた。まず、ギリシャは既に破たんしている。参加者全員がこの事実に基づき、「ギリシャをどうリストラクチャリングするか」を話し合っていたという。

 欧州のエリートは極端な言葉を好まないので、ドラスティックなアクションを好む米国人とは、物事の捉え方や対処法のトーンがやや異なるのだろう。経済規模の小さなギリシャについては何らかの措置はとられるだろうが、問題はその後に来るイタリア、スペインである。

 イタリア国債にデフォルト懸念が出ると、日本国債にも影響が出そうだと知人は話していた。というのは、イタリア国債は大部分がイタリア国内の投資が保有しているという点で日本国債の状況に近い。ギリシャは独仏が支援するが、イタリアと日本では、自国民が泣けばすむだろうと他国は見ている。 (さらに…)

日本にこそ必要な政府系ファンド

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 本日FT紙(10月12日付け)で、中国とロシアの政府系ファンド同士が共同で投資を行う新規の中露ファンドを立ち上げたというニュースを読み、私は衝撃を受けた。

 中国共産党とロシア(元ソ連という社会主義国家)が手に手を取って、もっとも資本主義的なファンド投資を行うという。しかも、中国政府系ファンドCICが10億ドルを呼び水にして、追加の20億ドルをその他の中国の投資家から集めようとしている。しかもこの新規ファンドは両国トップ同士の決断による。 (さらに…)

日本人は日本を見捨てて生きていけるのか

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 今週のダイヤモンド誌「日本を見捨てる富裕層」は興味深かった。同誌が描くジャパン・リスク(円高、デフレ、空洞化、震災・原発、少子高齢化等々)を回避しようとすれば、海外へ資産逃避を行うのも理解できる。

 3・11大震災以降、すでに富裕層は資産を海外へどんどん逃避させている。香港上海銀行では、宣伝もしないのに外貨預金が集まり、数千億円に膨らんでいると聞いている。

 おカネのない庶民は海外に移す資産もないし、そうした情報もない。土地に縛られて海外へ移住することもできない。富裕層の話を聞いても「へー、そうかな」とうらやましい一方、資産も家族も日本を離れて、果たして日本人が生きていけるのだろうかという素朴な疑問がうかんだ。 (さらに…)

借金を増やしても生活は楽にならず

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 21日のFRB(米国連銀)は予想通り、さらなる金融緩和策を決定した。「ツイスト・オペレーション」を実施し、長期国債を購入し、短期国債を売却した。このため、長期金利が下げている。欧州発金融危機の不安から「質への逃避」で米国債への需要は強い。

 多くのエコノミストは、このように市場におカネが溢れだすことで投機やインフレのリスクが高まると指摘している。インフレになればデフレのリスクは減るが、インフレのスピードは予想よりもずっと速いかもしれない。 (さらに…)

欧州ソブリン危機とその後を読む 

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 あっという間に9月も半ばである。例年9月から10月いっぱいまでは金融危機の時間帯である。今年も総出、欧州発金融危機はいつ起きてもおかしくない。

 ギリシャの債務不履行(デフォルト)懸念はかなり前から続いているし、今すぐにデフォルトがなくても、問題が長引けば長引くほど、市場の不安は膨らんでいく。多くの欧州の銀行がPIIGSのソブリン債を保有していることから、欧州銀行株は下げている。そして、欧州の銀行が中小企業への新規融資を減らす中、信用不安は実体経済にマイナスの影響を及ぼしている。 (さらに…)

流動性の罠と新たなBIS規制

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 ギリシャ危機を未解決のままずっと引きずってきた欧州の政治指導者たち。次にスペイン、イタリアへの財政支援問題が浮上している。欧州の民間銀行は両国へのエクスポージャーは大きく(=スペインやイタリアへの貸し付けや投資額が大きく、その分リスクにさらされている)、政治的な判断や対応が遅れれば、欧州金融市場への悪影響も大きい。そうした不安定さから、各国では移民や若者の失業など国内問題がくすぶり続けるだろう。  (さらに…)

人民元のゆくえ

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 週末のFT(フィナンシャルタイムズ)紙ではいっそうの人民元の切り上げと元の変動相場制への移行が論じられている。 (さらに…)

欧米の二番底、新興国の景気減速

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 米国債のデフォルト(債務不履行)は回避されたが、巨額の財政赤字問題に決着がついたわけではない。 連邦政府、州政府、そして市町村といったコミュニティのレベルでも、今後はコストカットが予想される。 (さらに…)

すぐそこにある日本の危機

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 7月半ばに河村たかし氏の講演を聞いた。なかなかよかったにゃー。面白かったのは以下二点である。

1.本来、政治とはボランタリーに行うものだ。欧米の地方政治ではボランティアがふつう。市民としての名誉なのだ。一方、日本では、政治家、議員は世界レベルで異常なほど給与が高い。戦後、議員を増やすために公務員給与の中で最も高くし、年金などの福利厚生も充実させたため、議員であることは既得権益としての職業となった。その利権と特権は地盤で固められ、二世、三世の議員を生み出す特殊な家業となりさがった。 (さらに…)

テクニカル要因からみた市場動向

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  ここ3カ月のグローバルな資金フローをみると、大きく、1.欧州からの資金流出、2.米国債への資金流入、3.日本株への資金流入 といったトレンドが読み取れる。 (さらに…)

復興の精神的主柱とは

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 テレビ報道で松本復興大臣の言動をみると、「がんばろう、日本」が虚しいスローガンに聞こえる。いち早く被災地を訪問され、被災者の皆さんと膝を付き合わせ、同じ目線で励ましの言葉をかけられた天皇皇后両陛下のお姿が思い出される。「日本人の復興を精神的に支えられるのは両陛下なのだ」と強く感じた。 (さらに…)

ギリシャ、ロシア、トルコ、そして「アラブの春」

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 ユーロの危機は欧州の危機である。ギリシャがデフォルトするか否かは、来週火曜(6月28日)に緊縮財政法案がギリシャ議会で採決されるかどうかにかかっている。

 1993年のマースリヒト条約(欧州連合条約)では、加盟国が健全な財政状態を保つために財政赤字に限度を設けている。ユーロは加盟国がこうした約束事をきちっと守ることを前提として成立した。よもや、一国の財政をごまかすようなギリシャは「想定外」だった。 (さらに…)

世界はスタグネーションへ

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 ニューヨーク在住のエコノミスト、熊坂博士のCQMレポートによると、米国の景気の落ち込み(スローダウン)はかなり深刻な模様だ。21日発表された5月の中古住宅件数は481万件と3.8%も落ち込んでいる。家計は借金を返済し、貯蓄に勤しみ(デレバレッジング)、個人消費が伸びていく状況とはいえない。住宅市場の本格的な回復は、早くても来年2012年後半から2013年にかけてと見込まれている。 (さらに…)

Sino Forestは中国版エンロンか

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 昨日(6月21日)に、大手ヘッジファンド、ポールソン(Paulson & Co)社の新しいゴールド・ファンドについて投資家説明会に参加した。ジョン・ポールソンといえば、 (さらに…)

福島原発、世界にとってのリスク要因

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 「風が吹けば桶屋が儲かる」、江戸時代の小話のように、経済・金融ではひとつの事件が回りまわってあらゆる事象に影響を与える。東電の福島原発事故は、回りまわって世界の市場に金融不安の火種をまいている。この原発事故の収束が遅れれば遅れるほど、金融リスクは高まるだろう。 (さらに…)

財政規律はどこへ: モラルハザードはいつまで続くのか

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 ギリシャ問題が欧州市場を不安に陥れている。ギリシャの財政赤字はちっとも改善していないし、ギリシャ政府に改善の意欲も見られない。本来ならば、「パルテノンなどすべての国家資産を売り払ってでも借金を返済する」と誠意を見せるべきだろう。  (さらに…)

活きたおカネの使い方、復興ファンド

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  「復興ファンド」を提案する。増税の前に今あるおカネを十分活かす必要がある。現場を知る人、専門知識のある人、リーダーシップの取れる人におカネを回して初めて、おカネは「お値段以上」の価値創造をしてくれる。 (さらに…)

それでも世界は成長を続け、日本は?

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 オサマ・ビンラーディンの死、そして先週のコモディティ市場の急落、円高など、ゴールデンウィーク(GW)の間に世界ではいろいろなことが起こった。

 オサマ・ビンラーディンは既に過去の人になっていた。それよりも、先週木曜、コモディティ・バブル破たんかとびくっとした。 (さらに…)

復興ファンドが防波堤になるか? モラトリアム法の堤防がなくなるとき

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  日本には基本的人権がない、基本的人権を定めた市民と政府の契約を現政府は守っていないし、守る気も能力もない。震災から2ヵ月近くもたつが、福島原発は収束していないし、仮設住宅もまったく足りていない。疲労の限界にきている避難民の皆さんにさらに半年も9カ月も我慢してくれというのは狂気の沙汰だ。 (さらに…)

泣きっ面にハチ

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  世界の工場は中国ではない、日本である。エコノミスト誌4月26日号「日本外し」P18-19を見ると一目瞭然。 (さらに…)

再びスタグフレーション?

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  ここ数日間、市場参加者の意識に変化がみえる。キーワードは「スタグフレーション」、 (さらに…)

福島原発の損害額見積もりは366兆円

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 昨日夕方の大きな余震を受けて、福島原発の問題が早期に収拾するどころか、同じような問題が繰り返し起こり、一層の悪化と長期化が予想されるようになった。 (さらに…)

復興トモダチ作戦

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 原油価格と金価格が高騰している。バレル当り120ドルを超えれば産油国には莫大な富がもたらされる。石油資源を原資とする政府系ファンド(SWF)は企業買収に乗り出すなど、グローバルマネーの流れが変わり始める。結論から言うと、マネーはいったんウォール街やロンバート街を経て投資運用先を求めて、日本にもやってくる。 (さらに…)

米国QE終焉と日本株

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 FRB(米国中央銀行にあたる連邦準備銀行)は米国債の約70%を購入している。米国財務省はQE(量的緩和)をそろそろ終えるのではないかという観測され、QE3がなければ流動性がひっ迫し、短期金利を押し上げるのではないかと懸念の声が上がっている。 (さらに…)

震災復興には財源と電源確保を

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 東京在住の米国市民には退避勧告、放射能に対する予防や必要な薬の配布など毎日のように米国大使館からメールが届く。放射能については米国の原子力規制委員会(NRC)、放射能への対処については米国疾病センター(CDC)がきちんとしたデータをもとに予想されるリスクへの対応をしている。事態の起こりうる先を読んでどう行動すべきかを伝え、自国民を守る、これを米政府は行っている。 (さらに…)

またもやToo Little, Too Late

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 福島原発の危機を救えるのはオールジャパンのレスキュー隊だ。彼らだけがリスクに立ち向かい、身を呈して日本国民の生命と財産を守ろうとしている。 (さらに…)

円高、日本株続落

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 日本の未曾有の大地震と大津波の爪痕はまるで戦後の焼け跡のようだ。保険という保険会社(生損保、再保険)は保険金支払い手当てのために、海外資産を円に変える必要がある。円高が急ピッチで進むのはそのためか?ニュージーランドに次いで日本での大地震で大手再保険会社さえもが存続の危機にあると報じられた。津波は金融界にも押し寄せそうだ。 (さらに…)

危機はまとめてやってくる!

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 3月10日から11日にかけて世界中であまりにも多くの出来事があった。もちろん日本の大地震も極めつけの凄い事件だが、その直前にも尋常でないことが表面に出てきていた。 (さらに…)

小室直樹博士と国史

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 小室直樹博士は昨年9月に逝去された。77歳だった。天才・小室博士は経済学や法社会学、宗教社会学の本質を示し、社会は科学の対象であり、社会変動には客観的な法則があることを教えてくれた。 (さらに…)

さすがにゲッコーはケッコー!

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 リビア情勢が緊迫している。リビアでは国民の教育レベルが低く、原油の埋蔵量があってもその精製など多くが外国人労働者に頼っている。彼らが国外に退去していることから、供給が細り原油価格の高騰が予想される。 (さらに…)

総体的奴隷制国家 日本

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  Hさんは大学の大先輩。長年大手企業の副社長を務め上げ、定年を迎えられる。先だってお会いしたときに、 (さらに…)

ティーパーティ運動と米国の維新

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 1月26日、米国保守派の論壇を招いたアジア・フォーラム・ジャパン(AFJ)の懇談会に出席する。シリーズ「どうなるオバマ、どうなるアメリカ」第2回目の本題は、「ティーパーティはワシントンを変えるか」である。 (さらに…)

TPPは新たな外圧になるか

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 20日は一日中、日米関係の集まりが重なった。 (さらに…)

グローバル資金フローからみる2011年

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 年末に、IMFのGlobal Financial Stability Report (GFSR)をじっくり読んでいる。GFSRの情報で重要なのは、グローバル資金の流れ(資金フロー)のトレンドである。 (さらに…)

2012年以降の世界、2011年のマーケット

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 今日は日曜日。夕方6時の「バンキシャ」を見る。上海の小学校の教育風景が放映された。三年生の英語の授業。 (さらに…)

「坂の下の石ころ」と「アメリカン・ナイトメア」

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 NHK大河ドラマ「坂の上の雲」が始まっている。今の若者が興味持ってこの番組を見るかどうか疑問である。この秋から週一で大学に教えに行っているが、 (さらに…)

QE2に思う、通貨安戦争の行方

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  予想通り、中間選挙でオバマ民主党が惨敗し、そして、FRBはさらなる金融緩和政策を実施した。

(さらに…)

見放される日本、中央集権的官僚体制強化へ

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1月13日に恒例のモルガンスタンレー・アセットマネジメント主催の新春年金セミナーに顔を出した。会を締めくくるにあたり、5百人を超える多くの参加者を前に、同社の古川執行役員は興味深いことを述べた。 (さらに…)

ピークオイルとグリーン革命

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このところアクティビストについて読んでいる。ブーン・ピケンズの自伝的エッセイ「どん底から億万長者」は実に愉快だが、「ピークオイル」について彼の見解を読んだときに、ここ1か月の出来事が瞬時に頭の中でつながった。それは、これから5-10年かけて起こる大きなトレンドである。 (さらに…)

ドル安・株高はいつまで続くか?

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ドルキャリとグローバル・アセット・バブル、そしてやばいドバイ

テキサス男のジョン・モールディンとは10年近く前にマンハッタンで会った。それ以来彼からEレターをもらっている。ドバイ・ショックより1週間ほど前のEレターで、ジョンはドルの行方について興味深い意見を述べている。以下まとめてみよう。 (さらに…)

ジョージ・パッカード先生

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ライシャワー博士の昭和史

11月17日の夕方、恩師ジジョージ・パッカード先生の出版記念会が外国特派員協会で行われた。私が首都ワシントンのジョンズ・ホプキンズ高等国際関係大学院(通称 (さらに…)

ウォール街はパーリア・キャピタリスムから復活できるか

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先日、ピーター・バーンスタインの最後の著作『Capital Ideas Evolving(邦訳)アルファを求める男たち』(東洋経済)について友人で運用者でもあるHさんと歓談した。 (さらに…)

日本発世界金融恐慌の可能性

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日本国債は大丈夫?

今回の90兆円を超える予算、赤字国債増発、成長戦略を示せないうえでのコストカット、郵政民営化から官製化への逆噴射。これでは、半世紀にもわたる自民党支配で焦土と化した国土にさらに核弾頭をぶち込むようなものだ。 (さらに…)

個人と企業の新しいエコな生き方、ジェネロシティ

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ジェネレーション G

1.Generation G

2007年に東京に居を移した頃、ある出版社から「企業の社会的責任CSR」について米国の現状を書いて欲しいという依頼があった。金融サービス業界ではヘッジファ (さらに…)

日本の政局の行方

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私の日本再生のシナリオ

「テロルとクーデターの予感」を読む。佐藤優氏の発言はじつに冴えている。民主党が政権交代を目指し、勢力を伸ばしているというニュースが毎日伝えられる。仮に民主党が政権を担えば、このテロルとクーデターの予感は現実味をおびそうだ。 (さらに…)

ドル暴落説について

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3月最後の週にジュネーブとチューリッヒへ出張した。ホテルに着くといつものようにパソコンをつないでCNBCやCNNをつける。同じTV局でも欧州版は米国版と論調が違って興味深い。欧州のメディアはこぞって米国の住宅市場の落ち込み、サブプライ (さらに…)

金融市場が実体経済を反映する

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プリンストン大学での一日

昨日はプリンストン大学東アジア研究所のセミナーにゲスト・スピーカーとして参加し、財務省から教えに来られている内藤純一教授の一連の講義、「1990年代後半以降の日本の金融危機と経済の構造的変化について」を聴講している学生たちに、過去20年にわたる日米資本市場の変遷について私の個人的体験談を踏まえてお話した。 (さらに…)

軋み始めたブッシュ・ドクトリン

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この3週間あまり、NY、東京、ワシントンDCと移動した。復活祭のころ、日本では民主党小沢代表が登場し、「がらがらぽん」でいよいよ日本の政界も復活するのかと思いきや、まず小沢氏自身が生まれ変わってもらわないと変革は実現しないだろう。 (さらに…)

暑くて苦しい夏が来る?

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第一四半期の米国企業の業績発表に株式市場は好感している。しかし、高まる米国のイラン攻撃の可能性、イスラエルのシャロン首相の事実上の死、六カ国会議など、国際政治に緊張を与える要因には欠かない。 (さらに…)

ウォジンローア博士による金利予測

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中間選挙までの金利動向について

前の四半期と比べてマクロ的な環境はそれほど変わっていない。経済成長率はせいぜい3.25%程度にとどまっている。前年第四四半期の成長率は低めではあったが、その分、年明け第一四半期の高めの成長率で補完されている。 (さらに…)

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