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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

米国の大統領選挙から見えてくる日本の課題

 暑中お見舞い申し上げます。

 7月に入り猛烈な暑さが続きます。米国でも様々な熱い出来事が起こっています。去る7月13日トランプ暗殺未遂がありました。7月15-18日の共和党大会を前に計画された暗殺でしたが、もうすでに随分昔のことのように感じます。それほどさまざまな情勢が猛スピードで動いています。つい先日はバイデン大統領が出馬を辞退し、ハリス副大統領が出馬することになり、オバマ元大統領もようやくそれを承認することになりました。これから共和党と民主党の選挙戦がヒートアップしそうです。

 今回の選挙は両党の政策の相違というよりは、米国を形作るその根幹にある価値観をめぐる闘争になりそうです。すなわち、国民国家の理念を否定し、世界統一政府を目指すグローバリスト=現民主党政権を続けるのか、あるいは建国憲法の原点に戻り、信仰と自由に基づく国を続けるのか、この選択を国民に問うわけですから、国民の間では分断が生じ、最悪「内戦」すら覚悟することになります。8月19-22日の民主党大会では開催地シカゴで大規模な暴動が予想されています。

 今の米国のように一国が異なる価値観やイデオロギーで分断されるとき、かつてのソ連崩壊のように社会主義体制が崩壊し新しい国体に変わるときには、国民国家が生き残るためには国民をまとめ上げる理念や哲学、生存の正統性に関わる宇宙観や宗教観の復活がみられます。

 例えば、歴史上16世紀に大英帝国の基礎を作ったエリザベス一世は、カソリックから分離して英国国教会をまとめ、国民国家の権威と正当性を掲げました。プーチン氏はソ連崩壊後にロシア正教を取り戻すことで、共産主義から国民の精神を救済し、新しい国造りの基盤にしました。いずれの場合も、国民の統一と国富の隆盛は国民経済を成長させ、国民生活が向上し、広く民衆の支持を得ました。

 翻って日本は敗戦後の占領下でこれまでの伝統や価値観を否定され、その自己否定の上に奇跡の経済成長を達成しました。そして、お隣の中国は戦後毛沢東主義を貫き、経済成長と国富を犠牲にして共産党一党独裁で国を統一してきました。鄧小平時代からは「市場経済」を導入し成長を目指しましたが、共産主義による支配は続きました。2000年代から奇跡の成長を果たし、中国は世界2位の経済大国となりました。2013年に習近平体制が確立すると、当時の民主党オバマ政権と米中大国同士の取引を始めました。今、日本は2大国の中間に挟まれ、国体も国富も毟り取られようとしています。

 一体どういう意味か?今米国民にとって最も身近な課題が「不法移民問題」です。バイデン政権下では推計1千万人もの不法移民が流入し、国境周辺では麻薬や犯罪の増加で治安悪化が問題になっています。トランプ・ヴァンス陣営は「米国第1主義: Make America Great Again (MAGA)」を推進し、米国の価値を取り戻す草の根の運動を繰り広げようとしています。

 この米国の不法移民の問題は、日本にも共通していると思います。最近日本でも移民問題が市民生活に大きな影響を与えています。もっというと中国資本をはじめとする外資による日本の資源や企業の株の買い占めに加え、我々の身近な神社仏閣までが買収されている実態があります。

 インバウンドに加えて経営・管理者ビザを持った中国人がこれ以上大量に流入し、彼らが数の上で多数を占め、近隣の水源や神社仏閣まで取られてしまうと我々日本の市民にとってはあたかも「租界」、中国人コミュニティが日本各地に点在し、我々の権利が及ばない彼らだけの「治外法権」が出来上がっていく。こんな近未来が見えています。

 私は日本人ほど心の中に神や仏を持って日々生活している市民はいないと思います。例えば、暑い日にお寺さんに行くと子供たちが「お地蔵さん、涼しくなってね」と言ってお水をかけています。平和な光景です。しかし、お隣の国では共産主義が宗教を否定し、信仰の自由を認めません。共産党一党支配は全体主義かつ独裁主義を貫き、忠誠を誓わない市民は体制から排除されます(収監・死刑)。信仰が存在しなくなると拝金主義が跋扈します。全てがカネ、カネで権力も権威も買い、最終的には絶対者一人に全てのカネと資源が集中支配され、広範な貧困が蔓延します。

 今の日本の仏教界や神社庁が腐敗しているといっても、共産主義国の拝金主義がやってきたらひとたまりもありません。魂ごと売り渡して先祖代々の墓も祀りも終わってしまうでしょう。日本は魂ごと拝金主義に負けるのか?日本人の意地はないのか?なぜ日本の市民だけが税金の恩恵を受けずに無策な政府に納税し続けなければならないのか?もう一度我々の本当に守るべきものを死守する、その正統性について明確な意思を持ち、行動するときではないでしょうか。

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