日本の戦後統治が完成 家康の悪夢が現実となるか!? トランプMAGAと交渉できるか?
10月27日に衆院選の開票が行われました。結果は自民党が過半数を割り込み、特に公明党と共産党が議席を大きく減らした点が目立ちました。かつて選挙運動を熱心に推し進めていた組織党世代が80代に達し、高齢化とともに戦後80年の変化を感じました。
さてエミー賞を受賞したSHOGUNについては前号でもお伝えしましたが、私は約500年前のあるエピソードがとても気になります。それは、ウィリアム・アダムズ(のちの三浦按針)が家康と謁見し、世界地図を描いて当時の国際情勢を説明するシーンです。
(YouTube切抜きでこのシーンをご覧になれます。https://www.youtube.com/watch?v=zbuf3B6ZQ7M)
当時、覇権国家のスペインとポルトガル(カソリック)が地球を二分し、アジア地域ではポルトガルがマカオに軍事基地を作り、日本への侵略を始めていました。最初はカソリック布教という静かなる侵略(サイレント・インベージョン)で有力大名をオルグし、領地や銀などをイエズス会に寄進させ、やがては全国征服を狙っていました。家康は安針から日本がすでに「ポルトガル領」であること、新興貿易国家オランダ(プロテスタント)がカソリック覇権勢力の世界支配を阻もうとしている事実を知ります。
安針は家康に自分達とともに戦ってほしいと言います。家康は多勢に無勢、勝ち目はない、やめておけと返します。安針は「我々が勝てば」と言い、そこで家康は敵の敵は味方、世界の新興勢力オランダとともに戦うことを決めます。こうして関ヶ原の合戦で家康勝利へと歴史が動くのですが、重要なのは、その後の徳川幕府開始後の家康の大戦略です。
家康にとって最大の悪夢は日本が略奪され、日本人が奴隷として支配されることでした。家康は鎖国を強いて、長崎出島でオランダのみとの貿易を許可します。その後17世紀後半にオランダはピューリタン革命を経た英国と3度にわたる英蘭戦争で負け、英国がオランダに代わり覇権国家として台頭していきます。この間日本は戦国時代の超武装国家体制を解体し、用心深い家康が周到に計画した超監視国家の幕藩体制に移行しました。こうして三代将軍家光の時代までには国内が安定し、江戸時代には独自の経済、文化が発展していきました。しかし、鎖国が260年続くうちに19世紀には世界では大英帝国がアヘン戦争を仕掛けて清国を支配し、やがて日本も明治維新に突入します。
明治維新以降、日本はグローバリストの親玉R家(英国系)のターゲットとなりました。2700年続く万世一系「天皇家」の名の下に積み上げられてきた国家の資産額は世界一、まさに「黄金の国ジパング」の存在は古くから欧州では知られてきました。維新後150年間、日本は何度も大きな戦争に参加し、そのたびごとに巨額の戦費を調達しそして搾り取られてきました。
彼ら(ディープステートDS:陰の政府)の目論見は日本の資産を管理下に置き、この資産を担保にいくらでもカネを儲ける仕組みを作ること、そして自らの支配が永続するように新世界秩序(New World Order: NWO)をセットすることです。この新世界秩序はかつてコミンテルンが掲げた「世界同時共産主義革命」のマルキストの言説で語られていましたが、IT革命を経た今は21世紀の時代に相応しく「グレートリセット」と模様替えされて一般に流布されています。
(注)スターリング・シーグレイブ著 “The Yamato Dynasty” (2001年)は事実に基づいた調査で、欧米で広く読まれました。(邦訳「ヤマト王朝」2007年)
戦後80年、彼らDSにとって「日本の戦後統治が完成」は目前です。天皇家は「籠の中の鳥」、財務省は彼らのお財布です。日本の水源、土地、民間企業の株式、神社仏閣さえも外資に買われ、日本人の資産も、将来も払い続ける我々の税金も彼らの懐に入る仕組みが完成しつつあります。日本人はすべての資産も文化も伝統も失っていっても何も気づかないし、抵抗もしない。これが彼らにとって「戦後統治が完成」という意味です。
家康がカソリック覇権国家の謀略を防ぐため安針と手を組んだ当時の様相を、戦後体制終了直前の今と重ね合わせると、何が見えてくるでしょうか。その鍵は満州国にあると私は考えています。戦後「55年体制」を担った政治家や旧財閥は満州との関わりが深いのです。
19世紀の列強が中国大陸を目指したのはアヘンの利権であり、列強の仲間入りを急いだ関東軍はアヘンの利権を抑えるため「満州国」を設立し、その利益を原資に石油を掘り、満鉄を走らせるなど理想の官僚統制国家を築こうとしました。当然そうした関東軍の謀略の裏で多くの中国人民が踏み躙られ、また開拓民として満州に渡った日本人もその犠牲になりました。
(注)小林英夫著「満州と自民党」、劇画「満州アヘンスクワット」参照
関東軍の満州国設立は、東インド会社から数百年にもわたる列強のアヘン利権を横取りする行為であり、当然DSの逆鱗に触れました。その仕返しとして日本は太平洋戦争に引き摺り込まれて原爆を落され、無条件降伏を余儀なくされました。それでも戦後は天皇を象徴とし、アヘン利権を地下で秘密裏に引き継ぐことで日本は生き延びてきました。シーグレイブはその様相を以下のように記しています。
米軍の占領が終結した1952年には「破産」したはずの日本は秩父宮とゴールデンリリー作戦のおかげで世界第2位の経済大国への道を開く「奇跡の」復興を始めることができた。・・(略)・・戦争略奪品はまた戦後の政治家が官僚機構を腐敗させるために使ったブラックマネーのもととなり、ミレニアムを迎えるにあたって、この国をふたたび経済崩壊寸前に回帰させる原因をつくった。・・・東京における真の権力は、秘密主義の財閥、官僚の派閥、政界のキングメイカーの手に握られている
“The Yamato Dynasty” (2001年)49-51頁
このように、米国は占領後も満州アヘン利権に深く関与した岸信介をはじめとするキングメイカー(田中角栄、金丸信)を政権に据えて日本を支配してきました。一方中国では戦後、毛沢東率いる共産党が政権を掌握します。日本が「55年体制」で米国にとっての「不沈空母」に仕上がっていく裏で、米国極左は密かに中共とのパイプを繋いできました。キッシンジャーは日本を「ビンのふた」に喩え米中共通の敵に据えることで、日中双方をコントロールしてきました。こうして米は江沢民に至るまで上海閥と資金面で繋がりを深めてきたのです。
現在、習近平政権と米極左DSは日本支配完了直近のところに来ています。キッシンジャーはその役目を終えたかのように2023年11月に百歳で息を引き取りました。
ここに来て11月5日以降、第2次トランプ政権が誕生すれば、敵の敵は味方、すなわち日本にとってトランプ政権は最強のパートナーとなるでしょう。残念ながら第1次トランプ政権で活躍した安倍首相は2022年7月に暗殺されましたが、家康が安針と戦略上、手を組んだように、日本が再びトランプ政権と新たな戦後秩序に向けて交渉できれば、日本にとって真の国民国家・国体実現を図る最後のチャンスとなるのではないか。
トランプ政権の掲げるMAGA、そしてその世界戦略は経済合理性と強烈な「攻撃的現実主義 Offensive Realism」に基づきます。今回は家康のように「鎖国」と言う選択肢は難しいですが、日本が生き残るための大戦略、世界観を顕し、そして交渉によって勝ち取っていけるよう、日本でもJDヴァンスのような次世代の若くて有能な腹の座った国士(リーダー)が求められます。
コメントは締め切りました。