北朝鮮情勢をどう見るか?
世界は、27日に予定されている韓国と北朝鮮の南北会談の行方、さらにその先の米朝首脳会談の行方に注目している。その先行きについては今の所、楽観論が優勢なため、相場は4月2日に調整局面があったが、しばらく上昇している。
リスクオンの一方で、米国10年債利回りが3%を超えた。日米金利差の拡大からドル高へ動いている。109円台まで円安が進み、日経平均株価も2万2千円台に回復した。しかし、この先、楽観論がどこまで続くか。
北朝鮮の非核化をめぐる今後の米朝交渉について、フォーリン・アフェアーズ(5/6月号)記事(”The Right Way to Coerce North Korea, ending the threat without going to war” 戦争という手段を取らずに北朝鮮からの脅威を終わらせるために北朝鮮に何を強制すべきか)によると、欧米・日本による経済制裁強化で、北朝鮮への原油輸入と北朝鮮からの石炭輸出が途絶え、ハードカレンシーも枯渇し、衛星の通信回線の使用料金すら払えないほど経済的に苦境に陥っている。
北朝鮮の後ろ盾となっているロシアに対する欧米による経済制裁で、ロシア経済もまた苦境に立たされている。そして、中国に対しても、米中貿易戦争で米国は締め付けを強めている。中国の輸出の2割は米国向けであり、IMFの試算によると、米国が中国からの輸出を締め出せば、中国のGDPは0.5%も減速する。経済成長が鈍化すれば、借金(20兆ドルものシャドーバンキング)で噴かしてきた中国経済にとって負債がますます重くのしかかる。IMFは、中国のGDP比の負債が10年前の160%から300%に急増していると警告している。
米国は、核をめぐる北朝鮮からの恫喝を、当事国やその後ろ盾となる国家への経済・貿易制裁で完全に封じ込めることができるだろうか。米朝会談への悲観論が強まれば、5月末までにリスクオフへの反転が起こる可能性がある。
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