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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

米国による先制攻撃の口実を与えてしまった北朝鮮

 2月27日付NYタイムズ紙記事によると、シリアのアサド政権はダマスカス郊外の街グータの反政府勢力に化学兵器を使用して徹底的な弾圧を加えている。グータ市民はロシアの訴える5時間の停戦調停にもかかわらず地獄のような状況に置かれている。そして、国連ではこの化学兵器が北朝鮮からもたらされたと報じている。

 筆者は、これが米国による先制攻撃の口実になると見ている。時を同じくして、トランプ氏の娘婿クシュナー大統領上級顧問がホワイトハウス内部の外交・安全保障などの機密情報へのアクセスを制限されたと報じられた。トランプ大統領はこの措置について「ケリー首席補佐官に任せてある」とテレビのニュースで応じている。これは何を意味するか?

 クシュナー氏はロシアとの接触に加え、長年中国とも不動産事業を含むビジネスの関係が深い。しかもロイター記事によると、彼の負債や外交の未熟さが米国の安全保障に影を落としているという。折しも米国が北朝鮮に対して最大限の経済制裁を課している中でホワイトハウスの身内から情報漏洩があっては困る。ホワイトハウスはケリー氏を中心に戦時体制へ移行しつつある。

 タイミングはいつか? 3月9日から18日までの冬季パラリンピックを挟んで、その前後で米国が先制攻撃に出る何らかの可能性がある。3月5日から北京で中国第13期全人代第1回会議が始まる。18日のロシア大統領選挙でプーチン氏は忙しい。

 3月は地政学リスクの高まりと金融市場の急な荒れ模様に対して投資家は備えるべきである。

ソース "U.N. Links North Korea to Syria's Chemical Weapons Program", NYT 2/27/18 クシュナー氏と海外当局者のビジネス上の接触、米政府内で懸念

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