グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

どうなる?香港ドルの信任

日本史に残る自治都市といえば「海の堺、陸の今井」である。私は3月の終わりに奥大和を旅行した時に、古い今井町の今西家を訪ねた。今井町は一向宗の信者が集まり城壁都市を作り、織田信長と戦った。のちに信長により武装解除されたが自治権は認められた。今井町は独自の通貨を発行し、「海の堺」と同様、交易によって栄えた。当時、その通貨は広く流通した。なぜなら今井町の統治の正当性と市場での信用が確立していたからだ。

 今西家は今井町の西端に位置し、代々今井町を治めてきた。今西家は今日でも昔の佇まいで、大きな門を開けて中に入ると、裁きの広場と牢獄がセットになった屋敷の中庭があり、その脇には武器貯蔵庫とお蔵がある。自治権が裁判権と武器を持って外敵と戦う自衛権、そして通貨発行権(自由に商売をする権利)がワンセットになっていることが見て取れる。

https://www.imanishike.or.jp/自治都市-今井町-歴史/

 香港の自治権と通貨との問題を指摘するために、長々と今井町について述べた。「一国二制度」が終わり、香港が自治権を失う時、香港ドルは中国の信用に裏付けられることになるのか?その場合、習近平独裁体制がいつまで安定的に続くか?人民元の信用力はいかに持続可能か?例えば、共産党独裁体制が崩壊した場合、人民元の負債はどうなるのか?

 第二次大戦終了直前に日本軍が占領した地域から軍が撤退すると、その地域で流通していた軍票はいっせいに紙くずになった。

支配の正当性が終わる時、その通貨の信用が終わる。

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