キシダノミクスは国民の生命と財産を守れるのか
10月31日衆議院選挙の後、開票が始まる午後9時過ぎから、私は及川幸久さんのニコニコ生放送に出演しました。国際金融/経済の面から、グローバルな投資マネーが岸田新政府をどう見ているのかについてコメントしました。
発言は、当ニュースレター10月11日付「岸田新政権は短命か?外国人投資家から見えてくる岸田ショック」でお伝えした内容に加え、2007-12年に起こった短期政権の繰り返しのように、「辞任ドミノ」が起こると言いました。
そして、甘利氏が幹事長辞任かというニュースが流れ、今朝東京では地震が揺すりました。天が岸田新政権の近い将来を見越しているように感じました。辞任ドミノは、地震のように政権を揺るがすでしょう。
2022年の日本の景気は悪いです。そんな中で世界は利上げへ向かっています。日本でも長期金利上昇圧力が高まり、金融面で大きなリスクになります。さらに、地政学リスクが高まっています。このように、岸信介内閣からの55年体制が大きな地殻変動を起こし、アベノミクス終焉と菅氏辞任をもって戦後体制は終わりました。この新政権は、荒波のスタートとなります。
それでは、岸田新政権がこの荒波を乗り切るだけの知恵と勇気と実力を兼ね備えているでしょうか?新政権の政策の多くが、実は高市早苗氏の『美しく、強く、成長する国へ』(ワック 2021/9/15 高市早苗)で提案されているものです。高市氏は、サイバーセキュリティや経済安全保障に言及し、「日本経済強靭化」をアピールし、大いに評価できますが、現況の国際金融/経済の観点からみてズレている面や足りない点もあります。
本来の自民党であれば、高市氏のような政策提言が数多く出され、その中で切磋琢磨され、国民により良い政策を提示されるはずでした。しかし、目に付くのは、内向きの派閥抗争と利権争いです。高市氏の心血を注いだ政策提言をパクったキシダノミクスの掲げる「成長と分配」は、何か中途半端でパンチ力に欠けます。
年末にかけて、パンデミックや地震、火山噴火、戦争などの緊急時に備える時かと感じます。脱炭素だ、あれやこれやで何十兆円もの予算をばらまくよりも、各地の災害避難施設の充実やライフラインの確保、食料自給、公衆衛生の確保など、基本的なインフラ整備を優先すべきです。今は有事であり、「車座になって人の話を聞く」ような状況にはありません。国民の生命と財産を守る強いリーダーシップが求められていると思います。
コメントは締め切りました。