グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

歴史は繰り返すか? グローバル化の終焉、そして、最大のリスクは・・・

 2020年のコロナショックから世界で一斉に統制経済が始まり、これから戦争が長期化するにつれ、戦時経済が恒常化していくのではないかと懸念が高まります。

 戦争と株式相場の長い歴史をグラフで見てみましょう。下のグラフは、強気(Bull)と弱気(Bear)が繰り返される長期のマーケットサイクルを示しています。グレーの縦線が景気後退期、紺色の折線は、ロバート・シラー教授のデータに基づくS&P500実質価格、オレンジの折線は調整済PERの推移を示しています。(グラフは2020年4月4日までの推移を示しています。)

 強気市場では株価は右肩上がりです。そして、ピーク(赤い逆三角形)をつけた後、相場は弱気に転じ、底値(黄色の三角形)を打って、再び上昇に転じます。20世紀に入ってから、弱気(下げ)相場は4回ありました。どれも戦争が関係しています。

  1. 第一次世界大戦
  2. 第二次世界大戦
  3. ベトナム戦争(特に泥沼化した後半戦)
  4. 世界同時多発テロ(2001/9/11)以降のテロとの戦い
出所: Real Investment Advice (2020年4月7日)

 冒頭に申し上げたように、ウクライナ危機が長期化すると、アゼルバイジャンなど旧ソ連の他の地域や中東でも情勢が不安定化するなど、同時多発的に地政学リスクが高まります。さらに、経済的には、サプライチェーンの分断、物流の遮断、モノ不足、物価高で、政府が価格をコントロールするなど統制経済が強化されるでしょう。

 グラフから見ると、株式相場は2008年リーマンショックで大きく下げて底値を打った以降は強気に転じ、超量的緩和による押上でしばらく右肩上がりでした。が、コロナショックの手前から弱気に転じていたようです。

 一般に強気相場の時は各国が協調し「国際化、グローバル化、自由貿易」を推進してきました。今、21世紀初頭から20年近く続いたグローバル化は終わり、供給過剰と低金利の流れは巻き戻しに向かっています。実際、2022年年明けから相場も弱気トレンドに入ったようです。

 そんな中、米国にとって、また世界にとって最大のリスクはバイデン・ファミリーです。大統領の息子ハンター・バイデンがウクライナのブリズマ社から巨額の資金を受け取っていた事実、マネロンや利益相反など様々な疑惑が米議会上院でも明らかにされています。(Harano Timesが上院での証言の詳細を伝えています。https://www.youtube.com/watch?v=qwP39MYwliM

 11月の中間選挙までバイデンは戦争することによって国民の目をロシアにそらし、大統領権限を強め、求心力を維持したいようです。しかし、彼らファミリーや側近、民主党左派による数々の犯罪は隠しきれず、これ以上国民を欺くのは難しいです。米国で腐敗した弱いリーダーが政府を私物化し続けることで、国内は混乱し、さらに世界をも不安定化させます。

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