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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

世界幸福度ランキング、日本はG7で最下位 どのように幸福度を上げていけるのか?

 世界147カ国の幸福度ランキングを示すワールド・ハピネス・レポートが発表されました。https://data.worldhappiness.report/table

 国民の幸福度を測る指標はたくさんありますが、今回のレポートでは総合点として幸福度の高い国トップ5はフィンランド、デンマーク、アイスランド、スウェーデン、オランダと、北欧諸国が首位を占めています。比較的小国で一人当たりのGDPが高い、不平等の度合いが小さい、選択の自由度が高く、政治的腐敗が少ない、福祉や社会保障が手厚いといった特徴があります。

 先進諸国(G7)でのランキングは、カナダ(18位)、ドイツ(22位)、米国(24位)、フランス(33位)、イタリア(40位)、日本(55位)と、日本はG7の最下位です。ちなみにお隣の韓国は58位です。

 またBRICSでは、ブラジル(36位)、ロシア(66位)、中国(68位)、南ア(95位)、インド(118位)と、インドが思いの外ランキングが低いと感じました。

 私はこれからの日本の先行きを心配しています。これまでも日本人は真面目に努力して働いてきましたし、GDPでは世界第4位でまだまだ戦後高度成長を経て蓄積された国富がバブル崩壊後の「失われた30年」を経ても微かに残っていて市民生活も保たれています。

 しかし、市民生活の「安心・安全」が今後も保たれるのか?国民の生命と資産が海外からの侵略から守られるのか?そして経済安全保障面で懸念が高まっているように感じます。

 具体的には、トランプ政権は4月2日から相互関税に動き出します。私は1980年代のレーガン大統領が「強いアメリカ」を掲げて、日本を「不公正貿易国」として狙い撃ちされ「スーパー301条」を思い出します。当時米国の報復で日本の半導体業界が見る影も失っていきました。今回は「アメリカ第一主義」と製造業の復活を掲げるトランプ氏がイーロンマスク等の大資本を引き連れて、日本の技術力を誇る自動車や鉄鋼に業界を狙い撃ちしてきます。日本の優良企業は米国の大資本の傘下に組み入れられるでしょう。

 過去20年近くかけて、貴重な水資源など国土の大切な資源が「サイレント・インベージョン(静かなる侵略)」(注)で中共資本に渡っています。これからは日本の技術や雇用を支えてきた主要産業や優良企業が米資本による「目にみえる もの言う支配」が加速するでしょう。

 そうなると日本国には国民の税金を吸い上げる吸血鬼のような非生産的でバカでかい政府だけが某国の「傀儡政権」として居座り、国内は人口減少、経済停滞、貧富の格差拡大と貧困化、食糧難(耕作放棄地の増加)など崩壊の一途を辿るシナリオに向かっているように思えます。

 このまま政府の行先やマスメディアの報道を聞いて愚痴を言っても埒があきません。自分たちが幸せになれるように、草の根レベルで「幸福度」を上げるようにそれぞれの絆を回復し、経済を回す仕組みを作り、多くの人たちの自助努力で新たなレベルで複合的なコミュニティを維持していかなければならない時に来ています。

(注)「サイレント・インベージョン ~オーストラリアにおける中国の影響~」クライブ・ハミルトン著(2018年)。オーストラリアの政界や市民社会における中国共産党の影響力がどのように増大していったかについて書かれている。日本では地政学者の奥山真司氏によって紹介された。

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