トランプ関税政策「中共封じ込め」、どうする?日本 昭和100年、アヘン利権から財務省解体論まで
この1週間はトランプ関税で米国を中心に「中共封じ込め」が形成されるなか、連日相場が乱高下し、私も忙しい日々を過ごしました。
来週金曜はイースター(復活祭)で米国市場は休場となりますが、週明けからもボラティリティの高い相場展開は続きそうです。(マーケット情報は「ヘッジファンド・ニュースレター」で逐次お伝えしています)
さて私は4月11日にイースター前の金曜ということで、夕刻の雷雨の中、アルテデコルコの「トリオソナタとエレミヤの哀歌」演奏会に出かけました。エレミヤは古代ユダヤの預言者。エレミヤの哀歌はイースターに先立って朗誦されるようになりましたが、紀元前586年に聖地エルサレムがバビロニアに攻略され、その民が捕囚状態になった悲惨な状況を嘆く内容です。(哀歌の一部抜粋)
わたしたちの嗣業は他国の民のものとなり、家は異邦の民のものとなった。
父はなく、わたしたちは孤児となり、母はやもめとなった。
自分の水をすら、金を払って飲み、自分の木からすら、価を払って取り入れる。
首には軛を負わされて追い立てられ、疲れても、憩いはない。
これって、日本の近未来? 私は思わずゾクっとしました。日本が他国に売り渡され、主権を失うとこうなる!古今東西、政治運営の致命的な過ちは国を滅ぼします。
トランプ政権が「中共封じ込め」に舵を切るなか、日本は米中はざまでどう折り合うのか?日本の国益をどう守るのか?このような点を主権国家として主張せずにも新秩序の中で生き残ることは困難です。一歩先は暗闇。戦後ここまで繁栄した日本が再び敗戦のような占領や侵略を味わうことになるのでしょうか?
戦後生まれの私たちは「民主教育」と高度成長期の恩恵を受けて成長してきました。でもじつは民主主義も資本主義も幻だったのではないか?きれいごとを並べる政治家やメディアの映像の裏に醜い真実が隠されているように、我々が学校で教えられ、テレビや新聞報道の切り抜きを通して見てきたことは、実は真実とは全く違うものだったのではないか?昭和100年が過ぎ去ろうとする今、そんなことを感じます。
4月8日に私は「チャンネル桜」の討論番組に生出演させていただきました。今回のテーマは「財務省解体」で、元財務省官僚や政策の専門家や財務省解体デモの主催者といった様々な立場のコメンテーターが真剣に討論しました。私の疑問は、解体してその後何をどうしたいの?といったところです。
そもそもの大蔵省をはじめとする戦後の官僚組織の出所を鑑みると、まさにそこに潜んできた「賎民性(パーリア)」の源流こそが「偽りの繁栄」の正体だと、私はと気づきました。戦後の「55年体制」や自民党、大蔵省や通産省などのエリート官僚組織そのものが止むに止まれぬ「賎民性」を引きずり続けてきたのですが、その源流は満州国にあります。
満州国はアヘン利権が支えた「ダーティー過ぎる」資金で作られ運営された幻の大東亜共栄圏のプロパガンダ国家でした。高級官僚と軍閥と財閥が共同でかき集めた「ダーティー過ぎる」原資は、彼らが理想郷とした統制国家経済と全体主義的軍事独裁政権の運営に充てられ、同時に彼らにとって巨額のポケットマネーとなりました。
満州国という家産制官僚国家の設計者の一人が岸信介でした。そして戦後、岸をはじめアヘン利権を掠め取っていた組織の一族や一部の財閥企業の人々(児玉誉士夫、笹川、田中角栄、瀬嶋隆三など)が「戦後の黒幕」ネットワークとして55年体制後も自民党支配をつないできました。
ではなぜ彼らが戦後の占領下で生き残り、その後も「岩盤規制」の上に居座ることできたのか?ダーティーマネーの首謀者たちは米国と取引し、自らを米国に従属させ、そのしもべとして国民に騙し絵を見せて、欺き、搾取してきました。こうして、戦後の日本はアメリカにとっての「満州国」として存在し続けてきました。その日米秘密裏の「利益共同体」の下で、表立って日本国民のお金を実質的に管理・運営してきたのが大蔵省です。
戦後の平和と経済的な繁栄で国民は自由で豊かになりましたが、その裏側ではアヘン利権が作り上げた「賎民(パーリア)資本主義」の支配体制が通奏低音のように連続して鳴り響いています。
今特に私が懸念するのは日本国内に増え続ける移民(あるいは不法移民)です。将来日本人の人口減少と移民の増加で、50年もすれば日本人が淘汰されて、国土はあるけど日本は日本でなくなるでしょう。戦後日本のパーリア性は日本人が消えていくことで「パーリア」だけが存続していくのかもしれません。
ここから「賎民(パーリア)資本主義」について補足します。
マックス・ウェーバー著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は、私にとっては以下のような問いに答えてくれる古典的な教科書です。
- 古今東西、栄華を極めた王国もその繁栄は夢のごとし。金儲けがうまくて栄えた国はたくさんあったが、なぜ歴史の上から次々と消えていったのか?
- 近代になってからある国民国家は繁栄し、その国富は拡大している。その国富の源泉は何か?そして国富の持続的成長の鍵はどこにあるのか?
ウェーバーは、カルヴァン派の「禁欲のエートス」が世俗化して「近代資本主義」の精神に変容していく様相や、その担い手になった独立自営農民や手工業者たち、いわゆる社会の「生産的中間層」の社会規範や倫理観について、実証的な説明を試みています。
生産の担い手たちはピューリタニズムの信仰を共有し、教会を中心にコミュニティ(共同体)を形成し、その上で自分たちの価値観とルールに則った自由な経済活動を推進しました。「自由な」という意味は、自らの欲望を満たすために行動する「野獣的自由」という意味ではなく、専制的な絶対君主による抑圧から解放されて新たな共同体規律のもとで「自由を勝ち取った」という意味です。(「近代的な自由)には常に規律と責任倫理が伴います。)
近代資本主義では、社会的な富”common wealth”と反社会的な富”wealth against common wealth”とを峻別します。売春やカジノなどで儲けたカネは反社会的な富です。どんなに悪いことをしても自分さえ儲かれば構わないといった考えや行動、公共の道徳や社会規範を踏み躙るような金儲けは、正当な「資本主義」ではなく、パーリア(賎民)資本主義と称されます。
以上のことから、日本の戦後はアヘンと満州の利権と利権にあやかる門閥ネットワーク(世襲政治家、財閥企業、暴力団など)たちがずっと勢力を維持し続け、その意味で戦後に米国の満州国となった日本には繰り返し、一貫したパーリア性が見て取れるのです。満州国が第2次大戦で列強の標的となったように、日本は再び列強の共同占領下に置かれるのか?第2次ヤルタ会議を生き残り、真の主権を勝ち取る秘策は何か?
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