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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

QEが出口に向かうのは、Quick Errorなのか?

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 米国の量的緩和(QE)でRisk on/Risk offのマーケット環境が続いてきました。ちょっとした材料で楽観的な見方が優勢になると、Risk on、株やジャンク債、新興国などリスクの高いアセットにマネーが向かいました。逆に、景気や相場に悲観的な見方が広まると、Risk off、リスクの高いアセットから米国債など安全資産へシフトしました。

 バーナンキ議長が量的緩和も永遠に続くわけではない、出口を意識していると伝えたことから、Risk offへ投資マネーが一斉にリスク回避に動き始めました。

 6月12日のFT紙トップ記事は、”Emerging market assets hit in sell-off”(新興市場で売浴びせ)です。記事によると、南ア、ブラジル、インドの通貨がドルに対して売られ、新興国債券も軒並み売られています。新興国ファンドは解約が激増しています。

 このとばっちりは日本も受けています。円は比較的安全な資産との認識から、円高、そして日本株安です。円のキャリートレード(円で借りて利回りの高い新興国通貨へ投資)の解消も、その流れに拍車をかけています。

 QEが終わるのは、バーナンキ議長が退任する来年1月と言われてきましたが、今年9月にもQEが出口に向かうという声もあります。そろそろ潮目が変わる時か、あるいは、いままで楽しく鳴っていた音楽が急に止まり、尻餅をつくのがいやな投資家は、既にゲームからの脱出を試みています。

 友人のMさんが茶目っ気たっぷりに、「これをバーナンキのQuick Error (QE)と言ったりしてね」と笑ってましたが。。。

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