グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

原油バレル70ドル台、ドル円107円台へ、中東メルトダウンとなるのか?

米国によるスレイマニ司令官で原油、金価格が上昇、円高、株安

 1月3日にトランプ政権はイラン指導者の一人(エリート革命防衛隊コッズ中枢のスレイマニ司令官)を殺害した。イランはシリアで影響力を強め、アフガンでタリバンをサポートし、また、サウジアラビアの石油精製基地攻撃、タンカー攻撃など対決姿勢を強めてきた。ここにきてイランへの報復として米国が大きく動いたと見られる。

 マーケットでは、原油、金価格が上昇、円高、株安となった。今後どうなるのか。

半世紀を経て繰り返される中東メルトダウン

 米国とイランには圧倒的な軍事力の差がある。おそらく、イランとサウジ、イスラエルが代理戦争を繰り広げる可能性が高い。問題は、イラン、シリアや北朝鮮の裏にいるロシアである。核戦争の危機が高まれば、米軍はサウジを離れ、北朝鮮から叩く可能性もある。 

 サウジはアラムコIPOで多額の資金調達を行い、原油に頼る一次産品の経済体制から脱皮して近代国家を目指してきた。しかし、このままではサウジは中東メルトダウンの直接的な被害者となりそうだ。

 また、イランからの原油供給が止まると中国経済に大きなマイナスとなる。当然、サウジからの原油供給が止まると日本経済にとっても大きなマイナスとなる。原油価格高騰で短期的には米露が漁夫の利を得るかもしれないが、中期で見ると世界の経済を冷え上がり、リセッションの警戒が高まるだろう。

 1970年代のオイルショック、そしてニクソンショックと続いた歴史が、半世紀を経て繰り返されるのか?

出典: Oil tops $70 a barrel as Middle East tensions rattle markets
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