抗議活動に参加する人々が街中を行進し、どんどん人数が増えていく。やがて警官と小競り合い、一部が暴徒化し、建物に火の手があがる・・・一瞬これは香港の映像?と思うが、香港ではないし、黒人差別で大規模デモの起きたミネアポリスでもない。
5月30日にニューヨーク、ヒューストン、シカゴ、アトランタ、デトロイト、ロサンジェルス、ボストンなど、全米各地の都市でコロナ禍怒り爆発と抗議デモと暴動の映像がツイッターで流れる。フィラデルフィアのシティホール近くのスターバックス店が炎に包まれている。いったい何が起きているのか?

同日、首都ワシントンDCに武装した州兵(National guard平時は州軍、戦時には連邦政府軍予備部隊)が集合する様子が報道された。私は2001年同時多発テロ(9/11)直後に武装した州軍がマンハッタン金融街を封鎖したことを思い出した。あの非常事態から米国は第2次イランイラク戦争とアフガン侵攻に動いた。再び戦時なのか・・・と私は不安を感じている。
今回の全米に広がるデモは何に対する抗議なのか?コロナかロックダウンか、白人警察官による暴力に対してか?リセッションで拡大する格差社会の不正義に対してか、DS(政府内国家)による金融支配に対してか?
トランプ氏はこうした大衆のエネルギーをMAGA「Make America Great Again米国を再び偉大にする」活動につなげて大統領選を優位に勝ち取りたいところだろう。彼をサポートするのがFRBである。
FRBが10兆ドルまでバランスシートを拡大し、量的緩和の一環としてETFや債券を買い続けて流動性を供与する限り、相場は「リスクオン」で株価は上昇とみられる。しかも、大衆(個人投資家)がFAAMG(フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグル)を買い進んでいる。そのため、株価下落を予想したヘッジファンドはショートの買い戻しに急ぎ、株価は大きく反発した。
さらに、金(ゴールド)価格上昇に続き、銀(シルバー)も上昇している。米国は3月半ばから金を、主にスイスから大量に空輸している。(参考記事 ブルームバーグ)
Virus Has Sparked Round-the-Clock Rush to Fill U.S. Gold Vaults
一般には「戦時下の株高」と言われる。世界同時多発的なウィルス戦争から米中の金融戦争、そして、世界大戦につながるのか?
2020年5月31日公開
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