グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

ワクチン経済で相場はトワイライトゾーン

 皆さんは、昔米国で流行ったSFテレビドラマシリーズ「トワイライトゾーン」を覚えていますか?日本では「ミステリーゾーン」として1961-67年に放映されました。米国の知人は、「米国市場はトワイライトゾーンに入った!」と言っています。どういう意味か、考えてみました。

 オックスフォード大学によると、米国では既に人口の34%が少なくとも1回目のワクチン接種を終えています。そして、ジョンズホプキンス大学の統計【グラフ】に示されるように、米国では明らかに感染件数が減少しています。

 さらに、バイデン政権による大型の刺激策(200兆円)が重なり、株式市場では、力強い景気回復を織り込んで、恐怖指数(VIX)が20を下回り、コロナショック以降初めて最も低い水準を保っています。このため、マーケット参加者は積極的にリスクを取りに行く「リスクオン」に大きく傾いています。

 そして、パウエルFRB議長は現行の緩和政策を今年末までは持続すると公言しています。今後インフレーションへの警戒感が強まるとしても、FRBは今の債券購入ペース(月1200億ドル)を続け、パンデミックから経済を正常に戻すことを何より優先していると言えます。マーケットは、2023年までにおそらくFFレート0.25%の利上げが1回とある程度と見込んでいます。

 このように、マーケットは悪い材料を織り込まない状況になっています。あまりにも楽観です。その証拠に、新規株式公開(IPO)ブームと言われるなか、その7割がSPAC(特別買収目的会社)の上場です。SPAC上場による資金調達はまさにバブルで、実態を伴わないマネーゲームの様相です。

バブルはいつか破綻します。そのトリガーになるのが、おそらく、FRBによる「テーパリング」(債券購入を減らしていく)への警戒感が高まりかと、想像します。

世界はコロナ禍ですが、ワクチンが強気市場をどのくらい長く支えるのか、あるいは、そのうちに副作用がマーケットを揺さぶるのか?今は不可思議などちらともつかない、でも何かがこの先起こりそうな、「トワイライトゾーン」にいるように感じます。あの番組のイントロメロディーが聞こえてくるような・・・そんな気分です。

イントロメロディーをご存知ない方は、マンハッタントランスファーによる演奏をちょっと聴いてみて下さい。

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