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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

米個人投資家向け情報 フィントック(FinTok)閉鎖

 米国株式市場には戦後世代(1946-64年に生まれたベビーブーマー)の後、新しい世代の投資家が登場しています。IT革命の成果を享受して育った「ミレニアル世代」(1980-1995年に生まれた世代)、そして、デジタルネイティブの「Z世代」(1996-2015年に生まれた世代)の動向が注目されます。

 新世代の特徴として、投資情報ソースが戦後世代と大きく異なります。戦後世代は、新聞、テレビの世代です。投資情報の収集には、ウォールストリート紙を読んだり、ファイナンシャルアドバイザーなど人脈を活用します。一方、ミレニアルとZ世代の情報ソースは圧倒的にネットからです。

 【グラフ1】はミレニアル世代の投資情報ソースを示しています。彼らが投資において最も参考にするのがユーチューブ、次いで、友人や家族からの情報、ファイナンシャルアドバイザーです。動画のみならず信頼できる人や専門家の意見も聞いていますね。

グラフ1(出所:Real Investment Advisor)

 【グラフ2】はZ世代の投資情報ソースを示しています。彼らにとっての投資情報ソースの1位はユーチューブ、2位はティックトック、3位はインスタグラムと、ネット系がトップを占めています。また、ティックトックが41%と、ミレニアル世代の15%に比べて、大幅に増加しています。

 総じて、新世代の若い投資家層は、新聞やビジネス書といった媒体よりも圧倒的にネット系、特にSNSに偏っています。Z世代の22%が投資を始めた時は18歳未満だったとのことで、昨年のロックダウンで強制的な巣篭もり状態となった若者層が、政府からの支給金を元手に、ネット情報を駆使して、投資運用というよりは短期的な(投機的な)トレーディングに参加してきたことがわかります。

 ここに、彼らがロビンフッダーとしてマーケットに登場する素地があるようです。【グラフ3】からは、ロックダウン直後から取引量が極端に増え来た状況が見て取れます。しかも、日計りのデイトレーディングやオプションといったかなり玄人筋の取引が急増しています。投資初心者の若者層が、いきなり鉄火場に飛び込んできたようなものです。

ラフ33

 ロビンフッダーたちの群集行動は、ゲームストップやAMCの株価を吊り上げ、大手ヘッジファンドを破綻に追い込むなど、メディアの注目を集めてきました。しかし、こうしたトレンドは、政府からの支給金が終わるなか、そろそろ下火になってきています。

 【グラフ4】はWallStreetBetsというSNSへの関心の度合いを示すグラフです。今年の1月下旬に関心度が急上昇した後は下火になっています。若者層にとっては鉄火場から通常の仕事場に戻る時が来たようです。

 もう一点、注目すべきことがあります。ティックトックは個人投資家向けの投資情報を提供してきました。これは、フィントック Fin tokと称され、どちらかというと販促的なものが多いです。このフィントックが閉鎖となりました。暗号通貨ドージコインを販促するような投機的過ぎる情報が流布したためと思われます。

 秋口にかけてマーケットのムードも変わっていくように思われます。

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