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雑感;日本が世界で勝てるもの

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  お正月に、NHKプレミアで在住米国人の格闘家ニコラス・ペタス氏が日本の武道を紹介する海外向けの特別番組を見た。ペタス氏が日本の武道一般(合気道、弓道、空手、柔道、剣道、相撲)と古武術について、その道の先生に指導を受けながら、歴史と精神について理解を深めていく。滞日20年の米国人の目を通して、日本において武士とは何か、武士道とは何かを追求していく内容である。

 武道は、ルールを確立し国民の心身を鍛えるスポーツとして広まっている。一方、平清盛から始まった「武士の時代」を経て本来武士が戦場で生き残るために幼少のころから身に付けた戦闘スキルやテクニックは「武術」として紹介され、古武術の身体操法として総括されている。

 空手とボクシングで鍛えたペタス氏によれば、格闘技では相手に勝つことに集中する。先制攻撃を仕掛け、相手の弱いところを徹底的に叩いて早く優位に立つ。一方、合気道では、攻撃の力を利用して敵を捻じ伏せ、相手の戦意を失わせることで、我が身を守る。投げられれば痛い。自分の痛みを知っているから、相手の痛みを慮る。これを「柔の心」と表現していたと思う。一見ひ弱そうだが、相手の自己保存までをも考慮した美しい心のあり方だと私は思った。

 かつて「美しい国 日本」と言った総理がいた。政治家目線で、そこに美しい国があるわけがない。美しい心を持った多くの日本人がいるから、日本という国を美しくしているのだ。

 西欧のノブレス・オブリージュを背負った一握りの支配層と比べて、日本では武士道の平常心や克己心といった倫理観は下級武士まで含め分厚い支持基盤を持った。しかも、下級武士はずっと経済的な貧困におかれ、倹約や勤勉を実践する世俗的禁欲と、立身出世を果たす野心とを持ち合わせていた。日本の歴史をみると、明治維新や第二次大戦後の奇跡の復興では、武士道的精神、大和魂、ジャパン・スピリットが国民を奮い立たせた。

 震災からの復興についても、被災地の皆さんは痛みに耐え、克己心を持って前進する「柔の心」を持っている。日本人の心こそ、世界にどこにもない日本の強さである。問題は、そうした国民の心を踏みにじるノブレス・オブリージュなき政治家やポピュリズムに傾倒する政策当局者、大本営をまきちらすメディアであろう。

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