2015年新年おめでとうございます!
本年は戦後70年と節目の年となりそうですね。さっそく、本題に入ります。
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)については前にも「金融危機のトリガー」となりうるデリバティブ取引で、かなりコワい存在だと書き留めた。
ウォールストリート紙(昨年12月23日付)「Credit-Default Swaps get Activist New Look」は、破たんしそうな企業に群がるCDSトレーダーとヘッジファンドの暗躍に関する興味深い記事である。
超金融緩和策のおかげで世界中に投資資金がだぶついている。イベント・ドリブン戦略のヘッジファンドにも5550億ドルのマネーが流入し、2008年の2倍近いマネーが投資先を探している。
そんな中、原油下落からシェール関連の中小企業の中には大手と吸収合併するか破たんするかの瀬戸際に来ている企業がある。例えば、フォレスト・オイル社はサビーネ・オイル&ガス社への吸収合併を迫られている。
とあるヘッジファンドは、フォレスト・オイル破たんに賭けてCDSをトレードし(破たんした際に保険料を受け取る契約を買う)、同時にアクティビストとして暴落した同社の証券を買い占め、吸収合併を阻止しようという戦略に出た。
同記事にも記されているとおり、JCペニーやラジオシャックが破たんするという側に、同二社が保有する負債額を遥かに超えたCDS取引額が積上っている。
さらにハゲタカ的ヘッジファンド、ブルークレストは、ラジオシャック破たんに賭けたCDS契約を高値で売り、破たんしない側に回り、同時にラジオシャックに私募融資を提供した。
この緊急レスキュー融資でラジオシャックは一たん息を吹き返す。じつに企業金融を幾重にも嬲るようなやり方である。
問題は、事の善し悪しではなく、誰がいったいCDS契約をどのくらい、どういう意図で保有しているかが不透明であることだ。リーマンショックのときにAIGなど大手金融機関がCDS取引で巨額の損失を抱えたが、金融危機の際には、破たんは見えにくい所から傷口を広げて行くようだ。
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