グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

トランプとデットシーリング問題

日本市場に大きな影響力を及ぼすのは、取引量が全体の三分の二を占めると言われる外国人投資家である。株価連動内閣といわれる現政権やアベノミクスの行方を見る上でも、外国人投資家の行動が注視される。下のグラフをみると、アベノミクス相場は、外国人投資家が買い越すと株価が上昇し、売り越すと下落というパターンが繰り返されている。

出所:マイルストン・アセットマネジメント

ただし、外国人投資家の売買と日経平均株価が相関性を低めたときがある(グラフの点線の矢印の部分)。2014年末-15年半ばに外国人投資家が大きく売り込んだにもかかわらず日経平均株価は下がらなかった。この時は、GPIFが日本株投資比率を引き上げ、株式を大量購入したためだ。また、2015年1月にも外国人投資家が売り越したが、日銀がETF購入で買い支えた。

金融市場において、トランプ・ラリーを支える上昇気流が途切れるときに、一斉に「リスクオフ」のポジションが取られ、「ボラティリティの高まり → 安全資産への回避 →円高」という流れが予想される。リスクオフになるとき、外国人投資家は日本株を売り、ショートした円を買い戻す。そのため「円高・株安」の展開となる。

来週には「リスクオフ」の動きが高まる以下のような要因がある。3月14-15日のFRMCで利上げに実施され、さらにイエレン議長が予想以上にタカ派的な発言をする場合。加えて、3月15日に「公的債務上限(デットシーリング)」の暫定期間が期限を迎える。2015年の年末にかけて、デットシーリングの引き上げがなければ、米国がデフォルトし、連邦政府機関がシャットダウンされると世論が騒然となった。そこで、債務上限は一時棚上げとなった。

今回、トランプ大統領が大規模なインフラ投資と大減税という大盤振る舞いの政策を掲げている。歳出削減どころか、さらなる財政出動で債務拡大は目に見えている。これ以上の債務拡大に民主党が強く反対し、議会で抵抗すれば、上限撤廃ができない、あるいは、議会で撤廃の決議が遅れ、政府機関の一部が閉鎖となるなど混乱が生じれば、金融市場にも当然、不安が広がると見られる。

米国の金利上昇に引っ張られて、日本でも金利が上昇する可能性がある。そして、ここに来て、北朝鮮の脅威が日に日に高まっている。日本市場では大幅な円高と株価下落、債券安が起こるリスクが高い。年金基金の運用評価や企業決算に重要な影響を及ぼす3月末日の株価は下がってもらっては困る。日銀やGPIFなど総力を上げてどこまでマーケットを支えられるか?

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