グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。
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レバレッジドローン

金利低下、株価下落、ドル安へ 債券デリバティブ爆弾

FRBは2015年12月から短期金利を9回上げてきたが、その間にフローターへの需要が高まった。しかし、FRBが利下げの方向に向かい、レバレッジドローンからの資金流出が増加している、金融市場の裏庭のデリバティブやCLO市場で警戒感が高まる中、香港・台湾情勢、朝鮮半島情勢、イラン・中東情勢といった地政学リスクも確実に高まっている。

米利下げでレバレッジドローン・リスク再び?

レバレッジドローン市場は過去10年で拡大し、特に信用リスクの高い企業へのローンが増え、さらにそうしたローン債権が証券化され変動金利型仕組債として年金など機関投資家に多く購入されてきた。FRBは利下げに転じ、レバレッジドローン、CLO市場にほころびが見えてきている。

‘Insurance cut’で市場は不安定化する?

トランプ大統領がメキシコに対して関税を引き上げるという脅しから景気悪化が懸念され、予防的な利下げ期待(保険をかけておくという意味で‘Insurance cut’)が高まった。債券市場を見ると、長短金利共に低下し、3ヶ月物と10年物金利差がマイナスとなる逆イールド状態が6月6日でちょうど10日間続いた。

CLO誕生から早30年、次なる信用収縮は?

もう30年も前の話だ。1989年、筆者はムーディーズのニューヨーク本社ストラクチャードファイナンス部のアナリストとして働いていた。当時、融資返済のキャッシュフローを担保に発行するローン担保証券、CLO(Collateralized Loan Obligation)の格付けが始まり、リンダ・M氏がCLO第一号の格付けを行なった。