ロシア・ゲートと北朝鮮情勢

公開日: : 最新リポート | 

 北朝鮮の脅威は米国のみならず日本にもその矛先が向けられている。5月27日G7会合の後、安倍首相が北朝鮮に圧力をかけるべきだと非難し、これに対して北朝鮮は日本国内の米軍基地以外にも攻撃の標的を拡大すると警告した。

http://www.sankei.com/world/news/170530/wor1705300042-n1.html

 北朝鮮では田植えの時期にいったん屯田兵が農家に戻るが、田植えが終わって軍へ戻ってくる6月中旬以降、再び戦闘態勢になる可能性がある。7月27日には祖国解放戦争勝利記念日があり、夏場も朝鮮情勢の緊張は続くのではないか。

 それにしても、北朝鮮はなぜこれほど強気でいられるのか。バーシスキー記者によるブルームバーグ記事(5月18日付)“The Key to North Korea is Russia” によれば、北朝鮮のウラにはロシアがあるというわけだ。北朝鮮はロシアからの武器供与の対価として、5万人以上もの国民を木材伐採や建築現場の労働者としてロシアに送り込んでいるという。筆者は戦後のシベリア抑留と強制労働を思い出した。

https://www.bloomberg.com/view/articles/2017-05-18/the-key-to-north-korea-is-russia

 また、ロシアや中国にとって北朝鮮の存在意義は、中露対立のバッファーとなっていることだという。そして、北朝鮮は両国を米国から遠ざけるために有益な存在であることを誇示し続けなければならない。つまり、北朝鮮の挑発行為そのものが存在意義なので、挑発行為は止まることはない。

 オバマ氏も含めこれまでの米国の大統領はこうした北朝鮮の行動をなだめ、穏便に済ませようと核の問題も先送りしてきた。しかし、トランプ氏は北朝鮮と中露にどう立ち向かうのか。国内のロシア・ゲートと絡み、瀬戸際外交でどう出るか。ロシア・ゲートは、今後コミーFBI前長官が議会証言するなどヒートアップしていくだろう。

 ロシアもまた、日本へ矛先を向けている。北方領土での軍備増強を米国への対抗措置として正当化している。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170601/k10011003471000.html

 米国頼りの日本の国防。日本の瀬戸際外交は大丈夫なのか?

関連記事

no image

PEのドライパウダーはどこへ

未公開株、M&A、バイアウトなどで活躍するプライベート・エクイティ(PE)ファンド。巨額の投

記事を読む

八月危機説を検証する

 八月には国際金融市場に危機が起りやすい。1971年八月のニクソンショックでは、米ドルが金との兌換を

記事を読む

no image

中国封じ込めと新たな日米関係

 泥の中に根を張り咲き誇る蓮の花――アウンサンスーチーさんはその大輪のよう。美しいアウンサンスーチー

記事を読む

 6月23日にEU離脱の可否を問う英国国民投票が実施された。そして、大方の予想に反し、英国は

記事を読む

世界に波及するトランプ革命

 今年の後半、7月1日以降、世界の株式市場は英国のEU離脱とトランプ次期大統領の誕生という想定外のシ

記事を読む

no image

金融ツワモノブログ 第二回

 今回のツワモノは、若き地政学者として大活躍中の奥山真司さんです。 奥山さんは、日本の高校を卒業後

記事を読む

米軍のイラク空爆開始  金融市場への影響は限定的か?

  先週一週間も地政学リスクが金融市場を覆った。今後の影響を考え、グローバルマネーは

記事を読む

no image

金価格下落が問う、インフレ懸念はホンモノか?

 今、本屋さんに行くと、アベノミクスについて多くのビジネス書が平積みになっている。新刊書のタイトルを

記事を読む

no image

2014年のヘッジファンド見通し

 2013年には日本株は56%近く上昇し、世界市場の中で最も優れたリターンを上げました。S&P500

記事を読む

トランプ瀬戸際外交に危険信号

 2月10-11日の日米首脳会談は穏やかなものだったが、その直後、12日に北朝鮮が弾道ミサイルを発射

記事を読む

  • メルマガ じぶんちポートフォリオ ヘッジファンドニュースレター
  • 無料メルマガ

    GSニュースメルマガ

    週1回、大井幸子厳選の最新国際金融・経済情報が届く無料メルマガです。

    登録はこちらから メールアドレスを入力してお申込みください。

  • follow us in feedly rss
  • GSニュースメルマガ

    週1回、大井幸子厳選の最新国際金融・経済情報が届く無料メルマガです。

    登録はこちらから メールアドレスを入力してお申込みください。

  • PAGE TOP ↑