コロナショック下のイースター
今週末はイースター(復活祭)。10日はグッドフライデーで米国株式市場も休場となる。欧米では季節柄、イースター週末頃に春の明るい日差しが降り注ぎ、長くて暗い冬からの解放感に満たされる。多くの人にとって、キリストの復活をお祝いするイースターは、スピリチュアルな再生を共有する大事なイベントである。人々は教会に行き、家族や親しい友人と食事をしたり楽しい週末を過ごす。
この長年の習慣や伝統が、今年はコロナウィルスで台無しになりそうだ。ウィルスは世界中で人間の健康を破壊し、経済を破壊し、文化や伝統を破壊している。
欧米の主要都市では外出禁止が厳しく、「集会の自由」が制限されている。教会でのコングリゲーション(信仰をともにする人たちの会衆)、そして、コミュニティの意思決定を行うタウンミーティングは、米国民主主義の原点である。ところが、コロナ対策でこうした活動は制限され、感染者との接触を避けるために人と人とが距離を取るよう監視されている。このまま恐怖やストレスが続くと、市民社会そのものが壊れてしまうのではないか。何よりも民主主義の危機だと思う。
さて、ニューヨーク州では感染拡大がピークに達したかもしれないという楽観論から、5日月曜のNY市場では株価が急上昇した。売り込んだ投資家(投機家)が利食いで買い戻す(ショートカバー)で勢いよく上昇した。だが、本当に買っている人はいない。これが現実で、マーケット・メーカーたちは良い材料を見つけては、相場を揺さぶろうとする。
相場の注意点として、今後は「二番底」に向かうので、もう底を打ったと早とちりしないよう、オフサイドが賢明だと思う。
復活祭は間近だが、相場の復活はまだまだこの先長いと見るべきだ。長い冬を生き延びなければなるまい。
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