グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

まだ続く社会実験 コロナ恐怖とストレス 安倍官邸は貧困国への道へと導く

 世界はウィルス戦争の戦時下に置かれ、TVやメディアは恐怖心を煽り立てる。日々「恐怖」に支配されるこの現象は、まるで世界規模の「社会実験」のようだ。

 都市封鎖やソーシャルディスタンシングで、人々は互いに接触を恐れるよう行動をコントロールされている。こうした人々の行動の変化によって、社会活動や経済活動にどのような影響が及ぶのかを実態調査しているような段取りだ。

 もう少しはっきり言えば、人と人とを切り離して、どの程度の社会活動や経済活動がデジタル化できるのかを実験しているとも受けれる。例えば、学校という制度では、オンライン教育がどの程度有効なのか。教育は社会の価値観を再生産するシステムなので、子供への影響が気にかかる。

 コロナの後には、こうした社会実験の結果を踏まえて、これまでの経済活動のデジタル化、オートメーション化、ロボット化が半ば強制的に進められるだろう。

 コロナ恐怖とストレスの社会実験によって、行動心理学や社会工学の領域で様々なデータが集められる。その実験結果は、次のウィルス戦争に役立つことになる。つまり、この手の恐怖とストレスは繰り返し続くとみるべきである。

 各国の社会実験の過程を見ると、それぞれの国民国家としての文化や考え方の違いも見えてくる。例えば、ドイツはこれまで財政規律を守り財政黒字できたが、この危機に際して赤字国債を出し、国民の生活保障にお金を回した。日本とは異なり、政府が有事に市民の生命と財産を守っている。

 そして、経済活動はいつ再開されるのか?米国では大統領選挙を睨んで、トランプ氏はなるべく早い再開を望んでいる。しかしながら、恐怖心の強さを考えると、米国の消費者心理の急激な落ち込みからの回復には時間がかかりそうだ。

 V字、U字回復といった楽観論もある中で、グッゲンハイム・インベストメント社CIOの Scott Minerd氏の見通しは現実的だと思われる。下の点線のグラフは、米国の実質GDP予想を示している。潜在的な実質GDP成長のベースラインからコロナショックで落ち込み、その後2022年まで「L字」のままとなっている。

 仮にソーシャルディスタンシングを解除しても、第2次感染の波でGDPはなかなか戻らない。そして、グラフの青い点線で示されるように回復ペースはゆっくりで、ベースラインに戻るまでは3-5年はかかりそうだ。

グッゲンハイム・インベストメント社CIOの Scott Minerd氏の見通し

 以上は、米国についての予想である。日本は?というと、状況はもっと深刻になるだろう。米国に比べて日本には戦時の危機意識がなく、対策が後手後手でダラダラしている。政府も銀行も経営者も何とかなると思っているのだろうか。米国は国内に様々な対立がありながらも、何とかしようというドラスティックで能動的な動きがうかがえる。

 しかし、日本では売上100億円規模の中小企業でも数ヶ月も保たない。このままではこれから失業が増え、さらに消費が落ち込む。窮乏化で食費も削ろうとするから、スーパーでさえ売上は減るだろう。さらに、ストレスから自殺者が増え、過労死も増えそうだ。

 ズルズルと大不況のどん底と向かっている。当然、来年にはオリンピックどころではない。日本政府はオリンピック聖火を人質に取ったために、国際的な関係各組織に大金を払う羽目になるだろう。負のオリンピック需要となる。安倍政権のこれまでの政策全てが裏目に出ている。このままでは、日本は一等国の地位から転落し、貧困国への道を歩む。

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