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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

オクトーバー・サプライズ

 米大統領選挙前の10月には、様々な想定外の事態が起こり、選挙結果に影響を与えると言われている。「オクトーバー・サプライズ」と称される。

 今日から10月に入り、東京証券取引所では相場情報の配信に障害が生じて、全銘柄の売買が停止した。これが日本にとっては、最初の「オクトーバー・サプライズ」だ。

 米国では1992年以来、大統領選挙の年の10月にS&P500が平均2.5%も下落した。今年はどうなるか。第1回大統領候補討論会が9月29日(日本時間の30日)に行われた。今後、10月15日に第2回、そして、10月22日に第3回討論会が行われる。

 一昨日にトランプ対バイデンの第1回目の直接対決が生放送され、CNNによれば全米7,310万人が視聴した。かなりの視聴率である。討論の内容は、相互の非難合戦となり「燦々たるひどい討論会」とメディアで酷評された。だが、米国の友人によれば、「みんな投票先を既に決めている」ので、討論会の酷評はあまり関係ないと言う。

 確かに、今回の選挙は事前投票が多い。この友人は東部の中産階級の米国人で、トランプのファンではない。「オバマとバイデンだけはやめてほしい。オバマ政権下では増税ばかり。米国は共産化した」と言う。いわば、消去法でトランプ支持なのだ。

 第1回討論会の直後の世論調査ではバイデン優位と報じられ、米国株式市場はやや弱含んだ。が、翌日9月30日の米国市場は何事も無かったかのように、やや反発し、前日比0.8%高で引けた。ムニューシン財務長官が経済対策案について合意への期待感を膨らませたことが、主な上昇要因である。

 大統領候補討論会はあと2回ある。そして、その間に「オクトーバー・サプライズ」がいくつか考えられる。トランプ再選に向けて良いサプライズもあり、悪いサプライズもある。

 何れにせよ、トランプ陣営には、株価維持(PKO)のために打つ手がまだある。第1に、FRBが量的緩和(QE)を実施し、バランスシートを膨らませる。第2に、民主党と今もめている経済対策案について積極的に妥協案を示し、国民にコロナ支援金を早急に配布する。第3に、10月中にトランプ氏が外交手腕を発揮し、強いリーダーシップを示す。

 第3点についていえば、9月15日に、イスラエルとUAE、バーレーンが国交正常化に署名した。これは歴史的な合意である。トランプ政権が中東情勢で大きな功績を残しているにも関わらず、メディアは大きく取り上げていない。

 中東、極東アジアで地政学リスクが高まり、米中対立が激化するなか、ポンペオ国務長官の活躍がトランプ陣営を後押しするだろう。

 そして、本当の深刻な問題は、10月の後にやってくるかもしれない。それは、大統領選挙後、投票結果が不透明で、票数の確認などでもたつき、勝敗がつかないと言う異常事態である。この点については、また追ってお伝えします。

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