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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

トランプ・ショーは続く

7月16日の米露ヘルシンキ会談後、トランプ大統領がプーチン大統領を米国に招待すると言い出して、物議を醸し出した。

 ヘルシンキ会談では、ロシアによるクリミア併合、NATO、シリア、中東情勢、そして、核兵器条約(2011年オバマ大統領が締結)の延長について、一対一で話し合われたと報じられている。

 米露の代理戦争についてどのような交渉が行われたのか。そして、その裏側で、トランプ氏個人がロシアからどのような取引を要求されたのか。

 実際に、トランプ氏とトランプ一家は、大統領になる10年以上前からロシア側から様々な資金の取引があった。FACTA8月号「ロシアゲート相関図(連載記事)」や、FT紙 ”Tower of secrets: the Russian money behind D.T. skyscraper” (7/12付)に詳しく報じられている(D.T.とは、ドナルド・トランプ)。

 ヘルシンキ会談後の共同記者会見で、トランプ氏がプーチン大統領に歩み寄る姿勢を見せた裏には、トランプ氏の公私混同と利益相反、国家安全保障に関わるロシアのブラックメール(醜聞材による脅し)に対してトランプ氏が弱い立場にあるのではといった疑念・憶測が取り巻いている。筆者は『円消滅!』(2016年/p. 177)において、トランプ大統領が誕生した際にはこの点が深刻な問題となると予告していたし、米国の国家戦略としてはすでに織込み済みの事項であろう。何しろ、トランプ氏自身が大統領になれるとは思っていなかったのだから・・・

 折しも、米国の保護主義は、欧州と中国に対して自動車関税をかけるところに来ている。

 人民元安は6.80まで進み、中国経済の成長鈍化からコモディティ価格が当然影響を受けるだろう。トランプ大統領はこの週末に、中国からの輸入品5000億ドルに関税をかけると発言し、追い打ちをかけている。

 激化する米の攻撃で、中国の「一帯一路」構想、東南アジア諸国への進出にブレーキがかかっている。7月に入ってからマレーシア、ミャンマー、スリランカ、ベトナムは中国への反発を強め、中国との国家プロジェクト延期している。 (Bloomberg 7/22付記事 “Xi Needs a Confucian Foreign Policy”)。

 中国を標的とする米国。このとばっちりを日本も受けそうだ。人民元高を狙うトランプ氏の発言「ドル高は輸出にマイナス」 を受けて、113円から111円の円高となった。トランプ・ショーはプーチン大統領の登場と、大詰めに入ってくる。

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ソース Tower of secrets: the Russian money behind D.T. skyscraper Xi Needs a Confucian Foreign Policy

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