恐怖が高まるとき
9月5日早朝、台風21号による暴風と雷、そして地震が同時に起こり、恐怖で目がさめた。
恐怖といえば、往年のジャーナリスト、ボブ・ウッドワードの新著「Fear(恐怖): Trump in the White House」が話題になっている。ホワイトハウスは恐怖に支配され、側近たちは、国に仕えるのかトランプに仕えるのか、神経衰弱に陥っているという。
金融市場においても、表面的には「強い米国経済に牽引され、株価も堅調」とされながらも、実はいつ何が起こるのか、市場関係者は神経をとがらせている。国際金融市場ではアルゼンチンの通貨安は止まらず、また、トルコも解決の目処が立っていない。こうした新興市場の通貨問題が間も無く株式相場に飛び火するだろうと、市場関係者はビクビクしている(参考記事)。
リーマンショックなど9月から10月にかけて金融危機が多発する傾向がある。市場は、表面はコリコリ固いけれど中はジェリー状のお菓子のようなものだ。
さらに、もっと大きな枠組み、「国際秩序」における恐怖がある。朝鮮半島情勢に関していえば、9月9日は北朝鮮建国70周年記念日である。米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」によれば、衛星画像から大規模な軍事パレードの準備が進んでいるという。北朝鮮の非核化の進展は見られず、米朝関係は沈んでいる。
同時に、米国は対中追加関税2000億ドル(約20兆円)に動き出す。中国の需要縮小は確実で、国内の過剰生産設備をどう減らせるのかが大きな課題となる。そして、米中対立のとばっちりは日本企業にもやってくる。自動車関税は日本の産業界にとっても大きな戦略上の問題となる。スズキは中国からの撤退を決めている。
いくつもの小さな地雷が次から次へと火を吹き、損失が連鎖するとき、市場関係者は恐怖にかられ、パニックに陥る。金融システムは危機を重ねるごとに危機に対して抵抗力が強くなってきた。しかし、人々の行動様式はさほど変わっていない。大抵の人は恐怖心から突発的な行動に出やすい。
昨年9月8日の太陽フレア(太陽表面の大爆発)以降、海水温度が上昇し、また、スーパームーンの影響で、大型台風や地震が起こりやすい環境にある。これから来年前半にかけて、地震、雷、火山噴火、津波、原発と連鎖的な災害が起こる可能性がある。まずは電源確保など「備えあれば憂いなし」、「居安思危」をモットーにすべきだろう。
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