グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

アメリカファーストの日本への影響じわじわと

 2月後半に差し掛かり、米国株は1月に続きふわふわと上昇しつづけている。前回のニュースレターでは、三つのマクロ的な不安要因、米国の暫定予算、米中通商交渉、2回目の米朝会談について述べた。

これまでの進展を見ると、まず、米国連邦機関閉鎖は終わり、正常に戻った。これはプラスである。ただし、同時にトランプ大統領は「非常事態宣言」を出した。これが今後どのような影響を与えてくるか。すぐ先には、米中、米朝の大きな山場がある。

目下の米中通商交渉と米朝交渉は、閣僚レベルで進められている。トランプ氏はノーベル平和賞への私的な名誉欲が強く、トップ会談へのお膳立てまでは事が運ぶだろう。

一方、サイバー攻撃、技術流出に対する米政府の法的措置、国防授権法、外国投資リスク審査近代化法、輸出管理改革法(米国の新興技術や基礎技術に関する輸出規制)などがじわじわと効力を発揮している。米国は同盟国にも同じように制限を課すよう求めているし、当然、日本にも要求が来ている。

こうした米国の保護主義や経済制裁によってじわじわと足元の世界景気が冷え込でいる。IMFは世界の成長率を下方修正し、警告しているが、米国はまさに「アメリカ・ファースト」、自国の安全保障の方が今は重大事なのだ。

こうしたマクロ的な国際情勢を背景に、FRBは利上げ保留の姿勢を決定。仮にトランプ大統領のサプライズ的な行動があったとしても、FRBは金利を下げる措置がとれる。スタンバイ状態だ。

日本に目を向けると、昨年11月以降、通信を除く多くのセクターで冷え込んでおり、年度が替り、今後は消費など内需の落ち込みが深刻化してくると思われる。

かつて、日米貿易戦争と言われた1980年代に、富士通や日立のコンピューター関係の社員が米国で産業スパイの疑いをかけられ逮捕される事件があった。同じようなことが米中でもっと深刻な規模で起こっていると想像すれば、日本企業も米中両方からの「とばっちり」を受けないよう注意が必要だろう。

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