グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

消えたか、パウエル・プット

 3月3日に、FRBは緊急利下げを実施した。利下げ幅は0.5%と通常の2倍、大盤振る舞いだったにもかかわらず米国市場は利下げ発表後に下落し、S&P500は-2.81%とガッカリするほど下げてしまった。

 かつて、相場が崩れそうになるとバーナンキFRB議長が金融緩和策を掲げて相場を救ってくれた。マーケットはこうした措置を「バーナンキ・プット」と呼んでいた。

 しかし、この度のコロナウィルス感染拡大の恐怖に、「パウエル・プット」は同じような効果を発揮しなかった。

 効力を発揮しなかったのは、FRBの利下げだけではない。ニューヨーク連銀もまた流動性を大量に供給したが、株価下落を防げなかった。もっとも債券価格は上昇し、3ヶ月物と10年債とのスプレッドは拡大し、逆イールドカーブは解消された。

 株式相場では、前日の千ドル近く上げた分を削ってしまった。一方、金価格は上昇し、ドル安に動いた。マーケットの予想では、3月半ばのFOMCでの利下げはおそらくない、4月にさらなる利下げがあるとみている。

 利下げではウィルスは殺せない。コロナウィルスの特効薬が早く出てくることを期待する。それまで生き延びることができるのか?

Gold Continuous Contract

 翻って、日本株は昨日も上昇の勢いが限定的で、しかも、107円台前半の円高で推移している。このパターンは、外国人投資家がポジションを畳む際に見られる。彼らは日銀ETF買いで少しずつ売りながら、ショートした円を買い戻す。日銀ETF購入が月曜で一旦止まっているようで、短期筋の投機資金が日本市場から引き上げていくように感じられる。それにしてもクウォンツ系高頻度高速トレーディングのおかげで、動きが予想以上に速く、増幅度が増している。

 では、ウィルス感染拡大はいつまで続くのか。第2四半期の終わり(6月末)という楽観的な見方もあるが、おそらくは第3四半期の終わり(9月末)と見た方が妥当であろう。その場合は、オリンピックは中止か1年延長となり、多くの政府関係者に大きな心理的ショックを引き起こすだろう。2020年の景気は悪化、株価もしばらく下落が続く。円安・株高でふかしたアベノミクスも、いよいよ最終段階だ。

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