8月15日 敗戦記念日に寄せて:カタカムナ、マルチバース宇宙論、そして、中村天風
台風お見舞い申し上げます。
台風7号が紀伊半島から近畿を縦断し、かつて見られない進路で日本海に抜けていきます。しかも、「畿内の五芒星」に関わる、熊野本宮大社から伊弉諾神宮、元伊勢外宮豊受大神社の方向に北上し、伊勢神宮や伊吹山も暴風域に巻き込みました。この台風の進路を見ると、尋常では無い「いにしえの大神様の怒り」を感じるのは私だけではないと思います。
(参考)五芒星について
本日8月15日は日本にとって敗戦記念日です。この日を境に日本の価値観が180度転換しました。私の亡父は昭和4年生まれで、昭和20年(1945年)、鹿児島県指宿で特攻隊の訓練を受ける軍国少年兵の一人でした。彼は終戦(敗戦)を知ると列車に飛び乗り、数日かけて東京の実家まで辿り着きました。途中で広島の悲惨な様子を見たそうです。その後、父は新制となった現在の海洋大学に進学しました。その時から「世の権威とされる先生や政府の言うことを信じるな、自分の目で確かめ自分の頭で考えろ」と自身に言い聞かせたそうです。私にもそうするようにと言っていました。
今となって太平洋戦争を考えると、満州事変から始まる一連の流れの中で、国際金融資本家(グローバリスト)に唆されて日本は戦争をさせられ、しかも、その戦費までをも払わされたことが理解できます。あるいは、明治維新以来の150年の歴史そのものが彼らのシナリオの上で動いてきたと言えるかもしれません。
太平洋戦争は多くの市民を巻き添えにし、非常に悲惨な戦争だったと思います。しかも、その結果が無条件降伏ですから、とんでもない。条件なしの降伏をすれば、その国の文化も伝統も破壊されるということです。実際、100年くらいかけて知らず知らずのうちに日本の精神構造が骨抜きにされていく過程で、私たちは平和に暮らし、経済もそれなり良くなりました。敗戦から78年経ち、「戦後」も終わっています。「戦後レジーム」後のビジョンがまるで見えていない、というか、わざと目隠しされたままになっているのが、今の岸田政権、自民党の現状なのでしょう。
私は戦前の教育の全てが良かったとは思いません。特に男尊女卑のように女性を社会的に虐げてきた明治以降の近代化には反対です。とは言っても、少なくとも、ご先祖が築き上げてきた日本人は民族の素晴らしい心のあり方(本居宣長の言うこ「やまとごころ」)を引き継いでいかなければなりません。ではどうすれば良いのか?具体的に何をすべきなのか?
参考:本居宣長記念館 吉田悦之館長のご著書、『宣長にまねぶ』
敷島の「やまとごころ」については
https://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/shikishimanouta.html
私の一案として、「日本再生への道、森林里山こそが国土防衛」(2014年)を著しました。その主旨は今も変わっていません。
最近では、戦後社会の権力構造の闇を明らかにし、メディアがいかに大衆を欺いてきたかを暴く記事もたくさん出てきています。ただ、これからは批判を批判で終わらせるのではなく、その先をどうしたら良くなるのか。単に「ジャパン・ファースト」や愛国だけではなく、もっと高い、普遍的なビジョンに向かう積極的な志が必要だし、それがなければ多くの人々の行動が伴うことはないと考えるようになりました。つまり、アウフヘーベン(止揚)する先の、目指すべき指標が必要なのです。
私の中では、カタカムナの表す世界観が最新の量子力学、マルチバース宇宙論とピッタリ重なります。カタカムナは古神道の要にあり、また、縄文の共同体が形成されたときの人々の共通の世界観だったと想像されます。さらに、共同体とは別の「個」のレベルで、生命の誕生と死が繰り返される宇宙の法則について、唯心論的物理学は曼荼羅とつながり、その宇宙観は仏教に向かっています。
このように日本の神仏には、一神教的な「信仰」とは全く別の、よりホーリスティックな宇宙観があり、個としての人間がその大きな宇宙に内包され調和された世界観があります。その点では、神との対峙、自然を支配するという対立的な世界観とは異なり、私にとってカタカムナの示す世界観は、ユダヤ教からキリスト教までの世界宗教をも包括し、俯瞰する高い位置にあります。
では、そうした世界観、宇宙観に沿って具体的により良く生きるにはどうしたら良いか。中村天風先生は日本人としての積極的な生き方を「天風哲学」として著されています。21世紀の日本について、天風先生の『運命を拓く』という著書の中こういう文章があります。
やがて少なくとも21世紀が来たら、日本が、思想的にも、アイデアの方面にも、また現実事業の方面にも、必ずや、世界をリードするだけの、権威ができると私は確信する。・・・(中略)・・・
ただ自分だけがよくなればいいんだ、自分の仕事だけがよくなればいいんだという、小さい慾望ではなく、“世界一の日本を造るんだ!”そして“世界中すべて、日本の自覚した民族のような、平和な気持ちにするんだ”という、もっと、でっかい慾望を持ちなさい。
運命を拓く 中村 天風 (著)
もし天風先生が21世紀の今の日本の状況を見たら、「何をやっとるか!」と激しく叱責されると思います。
新しい日本は、21世紀バージョンのカタカムナ共同体の出現にあると思います。私は米国金融界で20年以上を過ごし、世界を俯瞰し、日本に戻り、再び自分の頭で考えた結果、カタカムナ、マルチバース宇宙論、そして、中村天風のキーワードに辿り着きました。「世界一の日本」は、すでに我々の中にあると確信します。だが、我々は目覚めていない、行動していない。
今日は、日本が更なる敗戦を重ねないために気づいたことをまとめてメモとして残しておきます。
コメントは締め切りました。