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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

投資リスクの軽減を目指した運営技術としてヘッジファンドは生まれた | お金の正しい守り方4

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(お金の正しい守り方 第4回)

 

 

 

 

 

「投資」は「投機」と違い、リスクを減らす事で収益の確実性を高めようとする行為です。

そしてリスクを少しでも軽減するには優れたインテリジェンスが欠かせないのです。

ヘッジファンドは、もともとは大きなリターンよりも小さなリスクのために、下げ相場でも収益が得られるような運営技術として誕生しました。

 

1. 投資はリスク軽減とリターン最大化、投機は丁半の偶然性への期待

 

投資は投機のようなものだと多くの人が思っているようです。しかし、それは誤解です。

「投機」は、丁か半かの偶然性にゆだねます。ギャンブルでは、あらかじめリスクを制御することはありません。

 

 

一方、「投資」はリスクを減らすことで収益の確実性を高めようとします

予測可能性を高めることでリスクを軽減し、リターンを高めることは、あらゆる経済活動やビジネスにおいて共通した原則です。

 

 

投資においては、過去のデータや市場動向を調査し、客観的な法則性を見いだそうと試みます。

損失が出るのはどういうときか、なぜ損失につながったのかなど因果関係を見定めようとします。

そして、なるべく損失を避ける。つまり、リスクを減らすことで儲かる確実性を高めようとします。

 

 

そのためには、将来どのような事が起こりうるのか、情報を先読みし、予測を立て、可能なシナリオに沿って、できる限りリスク軽減を図る。

損失を最小限にとどめることで、収益の最大化を目指す。無益なリスクを取らないことが合理的な投資行動、戦略的な運用であり、投機と一線を画すポイントです。

 

 

将来の予測可能性を高めるには、情報の加工、分析力、すなわちインテリジェンスが欠かせません。

これがリスクを軽減するうえでの最も重要な作業です。

 

投資運用において最先端に立つのがヘッジファンド・マネジャーなどその道のプロ中のプロです。

彼らが今、何を問題としてみているのか、そして先をどう読んでいるのか、その思考回路を理解し、さらに先の先を読む事がポイントです。

 

 

2. 大きなリターンよりも小さなリスクを考える運用技術

 

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有能なヘッジファンドは、まず冷徹に期待リターンに対して取るべき「計算されたリスク」要因を抽出します。

あらゆるデータや情報を集め、脳みそを絞って考えます。

そして、この自己規律のプロセスを徹底することでリスク軽減を実践しているのです。

 

 

リスク軽減をモットーとする投資運用において、「必要は発明の母」です。

リスクをうまく回避するためにヘッジ手法が開発されてきました。

さらに、1980年代後半からコンピュータやITの技術革新とあいまって、金融工学が発展してきました。

 

 

多くのヘッジファンドは、もともと大きなリターンよりも小さなリスクのために、下げ相場でも収益が得られるよう空売りや裁定取引、オプションなどのデリバティブを駆使した運用技術を開発してきました

 

 

本来的には、ヘッジファンドこそ、金融インテリジェンスを体現した運用手法であり、ヘッジファンドがハイリスク・ハイリターンのイメージを持つようになったとしたら本末転倒でしょう。

 

 

 


 

 

 

前回は

お金の正しい守り方 第3回:お金は「信用」の上に循環する、そしてきっかけは「情報交換」

をお届けしました。お見逃しのかたはどうぞご参照ください。

 

 

 

次回は

“お金の正しい守り方 第5回:老舗企業の家訓に学ぶ、資産保全の極意”

をお届けします。ご期待ください。

 

 

 

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