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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

日本発世界金融恐慌の可能性

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日本国債は大丈夫?

今回の90兆円を超える予算、赤字国債増発、成長戦略を示せないうえでのコストカット、郵政民営化から官製化への逆噴射。これでは、半世紀にもわたる自民党支配で焦土と化した国土にさらに核弾頭をぶち込むようなものだ。

日本国民は「友愛社会」実現のために鳩山政権を選んだのではないし、ばらまきをしてほしいから民主党に投票したのではない。日本の財政規律については、10年以上も前から海外で問題視されており、ムーディーズが日本国債の格下げを検討したこともあった。日本国債の保有者は95%以上が年金など国内の機関投資家である。信用リスクが高まれば彼らにこれ以上の買い支えは期待できない。となると、海外の投資家に買ってもらうしかなく、そのために長期金利は上昇せざるを得ない。そうなれば既存の国債価格は暴落し、多くの金融機関の損失は膨らみ、時価会計のもと年金運用も危機にさらされるのではないだろうか。

以前マドンナ主役の映画「エビータ」で流行った歌、「ドントクライ・フォー・ミー・アルゼンチン」。アルゼンチン国民に愛されながらも病に侵され、「私のために泣かないで」と死の床で国民に訴えた大統領夫人エビータ。まもなく「ドントクライ・フォー・ミー・ジャパン」の替歌になりそう。民主党下、アルゼンチンと同様、日本国債は紙屑となるだろう。日本国債を保有する投資家に「泣かないで」と頼んでもムリだ。このままでは鳩山政権は日本発の世界金融恐慌を引き起こし、日本のみならず世界中の怒りをかうだろう。

日本国民は、自分達の金融資産のほとんどが国債・地方債を通して国に吸い上げられている事実を知るべきである。(大まかな数字であるが)家計部門の金融資産は約1410兆円、負債380兆円を引いて1030兆円ある。この資産のうち960兆円は、公的部門(公的年金、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、企業年金基金)と国債・地方債の一般政府部門の資金に吸い上げられている。さらなる国債増発で家計部門は完全にマイナスに転化。こんな状況で農家への所得保証や子供手当の場合ではない。ソ連共産主義のように、貧困も集団ならばかまわないというのが「友愛社会」主義であっては困るのだ。

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