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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

泣きっ面にハチ

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 世界の工場は中国ではない、日本である。エコノミスト誌4月26日号「日本外し」P18-19を見ると一目瞭然。サプライチェーンの最重要技術はモノ造りの得意な日本が持っている。競争力の高いこの分野をまず数カ月で復興させなければならない。ばらまきではなく選択と集中が必要だ。

  「代表なくして課税なし」とは米独立戦争の原則。管政府が国民に求める消費税引上げは日本の成長を阻害する。「成長なくして世界の日本への信認はない」。日本の景気後退は世界の足かせになり、円や日本国債への信用は低下。増税なき復興・成長プランを示さなければ国際金融面でも日本外しは始まる。

  東電債の発行残高は5兆円近くあり、日本の社債市場の8%を占める。東電債の動揺で金利上昇(19日付フジサンケイビジネスi)。今後企業は社債市場での資金調達が難しくなりそう。ジャンク債市場が薄い日本では流動性が枯渇すると信用リスクが膨れて金利が跳ね上がるのがこわい。

  さらに、S&Pは27日、日本国債格付けの見直しを発表した。電力債に加え、財投債や地方債、公益セクター全体に「ジャパン・リスク」が及ぶことになる。金利上昇圧力となれば、日本企業の起債や資金調達にも当然悪影響となる。

  東電による福島原発の問題は人災であり、その災害が津波のように経済・金融に押し寄せようとしている。政府の対応はまた後手後手に回るだろう。原発への対処と同様、そうした危機感がまるでないからだ。日本は「泣きっ面にハチ」になりそう。

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