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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

ライボーとはランボーな。。。

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 知人の政治学者はLIBORを見間違えてリブロ(書物)と発音しそうになった。「ライボー」とすっと言えれば金融関係者である。それほどLIBORの問題そのものが一般の人々になじみがない。
 LIBORはLondon Inter-Bank Offered Rate(ロンドン銀行間取引金利)をいう。この銀行間の金利は、資金の出し手が提示するレートである。毎営業日のロンドン時間で午前11時に、指定銀行が提示するレートを英国銀行協会が集計し、上下数行の数字を除いた平均値を発表する。LIBORは一カ月、三か月、六か月、1年のレートがあり、このレートが金利水準のベンチマークとして貸出の金利の基本になる。
 金利とは、資金の借り手が出し手に対して払うコストである。借り手の信用力が高く、貸した資金が戻ってこない(すなわち債務不履行になる)確率が小さければ、金利は低い。リスクフリーはLIBORフラットとなる。逆に信用力があまりない貸し手に対してはリスクの高い分、金利も高い。どのくらい高いかはLIBORに上乗せした分(LIBORプラス・スプレッド)で測られる。
 金利は個人や企業が資金を調達するために払う基本的なコストである。個人のレベルでは住宅ローン、企業にとっては銀行からの融資、社債発行など、金融機関にとってはスワップなどのデリバティブにおいて、あらゆる市場参加者に対して金利はすべての金融活動を支配する。その根幹をなすのが、LIBORである。
 このように、LIBORは大変重要な要素であり、そのレートは市場関係者の自主的な規律で設定される。指定銀行は市場や金融業界に対して大きな責任がある。一銀行がスワップのポジションなど自分のトレーディングに都合のよいように金利設定を行えば、市場全体の規律に大きなひびが入り、市場の信頼を失う。
 LIBOR不正事件は2008年ころから報道されていた。指定銀行の一行、大手バークレーが不正にレートを操作しているとウォールストリート紙が報じた。そして、今その不正の実態が明らかになりつつある。この事件は、2002年のエンロン、ワールドコムの会計不正疑惑を思い起こさせる。エンロンとワールドコムは会計監査において虚偽の報告を行い、株価を不当に操作し、多くの投資家を騙した。エンロン・ショックとなったこの事件の後、株価は下がり、相場は荒れ、集団訴訟が多発した。
 同じようにLIBORショックでマーケットの信頼を損ね、欧州市場がしばらく回復できなくなる可能性も高い。

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