グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

本格化するエネルギー革命

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 2000年4月にITバブルが破たんした。21世紀にはいってIT革命が行き着いた先は、Facebookを頂点とするSNSであった。
 たしかに、情報通信の技術革新のおかげで、インターネット、携帯電話、iPodなど次々と新しいツールが普及した。IT革命は人々のコミュニケーションの在り方を根本的に変えた。
 もともと、人はどんなに遠く離れていても、同じ思いを持つ仲間たちとつながりたいと思う。ネットでその願いは叶うようになった。好きなときに、好きな人と、好きなようにつながれる。この自在さと闊達さが人々に新しい興奮をもたらした。
 今、同じようなことがエネルギー分野で起ころうとしている。しかもIT革命の後に来るエネルギー革命はクラウドコンピューティングを前提としている。再生可能エネルギーやシェールガスといった新しい資源を含む多様なエネルギー源をどのようにマネージし、最適化するか、エネルギーも情報も同じ位相になる。ここがキーポイントだ。
 先日、さいたま市でホンダ・スマート・ホーム・システム(HSHS)の実証実験を見学した。HSHSのモデルハウスは外からみれば普通の住宅である。しかし、ホンダの目指す次世代の技術には大きな先取りがある。
www.honda.co.jp/hshs/
 HSHSは、各世帯が自発的にエネルギーを作り、消費する「家産家消」の自由を与えてくれる。既存の電力会社やガス会社から供給されるものに加え、各世帯で作り出すのは太陽光発電そして水素燃料といった環境に優しい究極のエコなのだ。自分ちで発電し、自分ちで使い、余剰分は他者におすそ分けできる。HSHSは一貫して最適化・効率化のシステムを提供する。HSHSが普及すればするほど、原発に頼る東電からの電力に依存する必要がなくなる。これまでの規制や業界の利権も意味を失うだろう。
 「家産家消」を自律的に行う世帯どうしが「お互い様」でエネルギーを交換し合い、コミュニティ・レベルでエネルギーの最適化ができるようになる。そうなれば、一方的な節電要請や電力値上げを強要されることもなくなるだろう。
 エネルギー産出ツールがポータブル化し、各世帯に提供されれば、大きな発電所も原発も必要がなくなるだろう。
 ちょうど、スーパーコンピュータが中央集権的でコストがかかった時代が終わり、ポータブル化した小型のコンピュータ(PC)が普及することで、人々が自在に情報交換し、つながれるようになったのと同じことが、エネルギー分野で始まろうとしている。その技術は既にホンダのなかで完結している。
 さらに、家の外には車がある。HSHSにはEVがある。EVの電池は緊急時に家の中の電源となり、自家発電ができる。スマート・ホームとEVの一体化で、エネルギー革命は各世帯、町や市といった身近なコミュニティーから始まっている。エネルギーを核にした市民レベルでのEmpowerment といえる。
 

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