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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

金価格下落が問う、インフレ懸念はホンモノか?

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 今、本屋さんに行くと、アベノミクスについて多くのビジネス書が平積みになっている。新刊書のタイトルをみると、内容はインフレーションやリフレーションの見通し、日本が復活するか沈没するか、楽観論と悲観論とに分かれる。
 先週、金価格が2年ぶりに大きく反落した。一般に、金融緩和策でお金がじゃぶじゃぶに溢れインフレ懸念(あるいは期待)から、金価格は上がるはずなのだが。
 4月21日付フィナンシャル・タイムズ(FT)紙でも、金価格下落の要因について論じる記事”Gold’s fall signals fears for future global growth” (John Authers) と“Losing its charm?” (Jack Farchy) が目を引いた。注目点は、インフレは本当にやってくるのか?
 米国、日本、英国、スイスの中央銀行はそれぞれ大規模な金融緩和を実施し、債券利回りはゼロに近くまで下げている。投資家は債券から株式へシフトし、株価は上昇している。
一方、足元をみると、世界の実体経済はそれほど底固くない。中国は高度成長が終わり、低成長期に移行すると予想されるし、需要が株価上昇と剥離しているのであれば、インフレ圧力は懸念材料にならない。そのトレンドを見込んで、マーケットで金が売られた。
 ただし、金のリテール実需は底堅い。金価格の下落で、マーケットを相手に、大手ヘッジファンドのポールソンは損失を出したが、一般の人々は下がったところで宝飾品として金を買い続ける。
 マーケットは強欲Greedと恐怖心Fearとでけん引される生き物である。インフレの恐怖心がおさまると、日米でいったん株価は調整局面に入りそうだ。

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