サイバーマンデーに見える米国の個人消費
米国では本格的なクリスマス商戦が始まった。感謝祭(木曜日)の翌日は多くの人々が買い物に殺到し、小売店が黒字になる「ブラックフライデー」である。さらに、その週明けの月曜日は、ネットショッピングに殺到する「サイバーマンデー」である。このところ、ブラックフライデーよりもサイバーマンデーの売上が注目されている。なぜか。
小売業界の最大手ウォルマートの売上が1987年の100億ドルからその10倍の1千億ドルまでになったのは2000年だった。同様にアマゾンにとって売上が10倍になるまでの期間は2007年から14年までと、ウォルマートの半分ほどに短縮されている。また、過去3年間の全米小売売上の増加分に対して、アマゾンの伸びが40%も貢献している。米国の個人消費の行動パターンが根本から変化したのである。
ネットショッピングが主流になるにつれ、買い物の季節要因がなくなってきている。米国でもクリスマス商戦は前倒しで、11月初頭からすでに値引き競争が始まっている。ネットで価格比較もできるし、価格競争は厳しさを増すだろう。加えて、消費者の立場からみるとモノが溢れ、飽和状態だし、広告に煽られて欲しくもないものにお金を使うことが少なくなってきたのかもしれない。
出所記事: “Cyber Monday is Dying; Long Live Thanksgiving, Black Friday”, Telegraph (11月28日付)
http://fortune.com/2015/11/28/cyber-monday-black-friday/
個人消費の動向については、コンファレンスボードが米国の個人消費について弱気のデータを出したばかりだ。それによれば、消費者はこの先半年、2016年半ばにかけて雇用状況が良くなるという明るい見通しを持っていない。
しばし、中国マネーの爆買が続くことを期待してみよう。
出所記事:“U.S. Consumer Confidence Falls to Lowest in More Than a Year”, Bloomberg (11月25日付)
http://www.bloomberg.com/news/articles/2015-11-24/consumer-confidence-index-in-u-s-fell-to-90-4-in-november
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