米中新冷戦は資本市場で深化 ソフトバンクにも影響
今日は国慶節。中国は建国70周年という節目を迎えた。ある方が言うには、「7」という数字は「切」という漢字を連想させ、中国はこれまでの開放経済と成長の流れから「切断」される可能性がある。
そのキーポイントが来年11月の大統領選で、世界中の投資家は、トランプ大統領の予想不可能な言動に疲れを感じつつ、米中貿易戦争が最大のリスクと考えている。
これから年末にかけて、大統領選挙に向けた「政治相場」が本格化する。米中貿易戦争は、関税の掛け合いから金融、資本市場全体にまで深化していく様相を呈している。
9月後半の国連総会で、米中の対話は無く、民主党はトランプ大統領への弾劾圧力を強めている。そうした矢先の9月27日、トランプ大統領は中国を米国資本市場から締め出そうとする厳しい措置—中国企業の米国市場での上場廃止やM&A撤回など—へ動き出した。
私はこのコラムで、昨年12月にファーウェイCFOがカナダで拘束された時に、以下のように記した。
このまま米中の新冷戦が激化していけば、中国ハイテク製品のボイコット、ハイテク企業の上場廃止、企業買収禁止など、金融市場のも大きなマイナス影響が出かねない
米中「新冷戦」の行方(https://globalstream-news.com/20181214-1/)
トランプ大統領が金融面で米国は中国を封じ込めようと動き出したとしたら、中国企業は米国株式市場での資金調達の道を塞がれ、倒産やデフォルトが起こるだろう。すでに、通貨戦争で人民元切り下げで、ドル建て債券で資金調達してきた中国企業には債務の重荷がのしかかり、債券市場では信用リスクも高まっている。
27日(金)の株式市場では、ホワイトハウスの動きを受けて、アリババなど中国IT銘柄が株価を下げた。
グラフ:米国株式市場で存在感を強める中国ハイテク企業
投資(投機)会社ソフトバンクは、アリババ高値で支えられたバリュエーション(評価価値)が保てなくなるかもしれない。ソフトバンクは社債発行や親子上場で必死に資金調達してきた。それでも18兆円とも言われる有利子負債が重しになっている。この先WeWorkなどのIPOの不発が続けば、これまでの綱渡り資金繰りにほころびが出てくることになりそうだ。
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