暗いクリスマスと年末がやってくるのか?日本も他人事ではない
先週の木曜日は感謝祭だった。翌日27日金曜は「ブラックフライデー」、コロナ禍で来店客数は52.1%減と、ほぼ半減したが、オンラインでの売上は昨年比のおよそ22%増と予想される。週明け月曜「サイバーマンデー」の売上もかなり期待できそうだ。
感謝祭からクリスマスにかけては1年で一番楽しい季節だが、今年の様相は違っている。実体経済はかなり厳しい。
11月24日付ブルームバーグ記事は、年末までに数百万人が家を失うと報じている(Millions of Americans Expect to Lose Their Homes as Covid Rages)。
米国では、約1800万人が住宅ローンや家賃を払えない状況にある。11月9日に完了した米国の国勢調査によると、これから2ヶ月で立ち退きか競売のいずれかに直面する人が約580万人いるという。全米1780万人の成人の32.5%(3人に一人)が、ホームレスになるというのだ。
3月のコロナショックで住宅ローンの支払いは1年間猶予となった。が、来年3月には支払いができずに自宅を競売しなければならず、その手続きに入る人が増えると見込まれている。また、立ち退きは今年年末までの猶予になっているが、年末で失業支給金が切れることから多くの人が路頭に迷うことになりそうだ。
下の地図は、これから2ヶ月で住宅ローンが払えず競売に出すしかない、あるいは家賃が払えずに立ち退きに直面する人たちの比率を州ごとに示している。全世帯の40%以上がホームレスに追い込まれる可能性のある州は、ネバダ、ワイオミング、サウスダコタ、カンザス、アーカンソー、フロリダ、ウィスコンシン、サウスカロライナ、メリーランドの9州である。
特に厳しい状況に追い込まれている州がアーカンソー、フロリダ、ネバダで、少なくとも全世帯の50%以上が、現時点でローンや家賃を払えていない。2021年初頭には75万人が立ち退きに直面すると予想される。
また、ニューヨーク、ヒューストン、アトランタといった大都市でも、年明け早々大規模な立ち退きが予想され、都市部で暴動などが警戒されている。
米国では2.2兆ドル(約230兆円)の経済救済法案(Coronavirus Aid, Relieve, and Economic Security Act: CARES Act)が3月27日に成立した。そこには失業手当など労働者への給付金支給が含まれるのだが、その期限が年末までとなっている。CARESの期限延長となるのか、あるいは、バイデン政権の下で刺激策が出るのか?情勢は不透明だ。その間に、数百万人のホームレスを抱えた州や大都市はどのように「法と秩序」を維持できるのか?
米国で起こっていることはやがて日本にも波及する。日本ではコロナ禍、自殺率が急増している。既に国民は負担に喘いでいる。年末にかけては不景気感が強まるだろう。オリンピック予算どころではない。政府は早めに大規模な国民救済策を打ち出すべきではないか。
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