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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

ジョージ・パッカード先生

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ライシャワー博士の昭和史

11月17日の夕方、恩師ジジョージ・パッカード先生の出版記念会が外国特派員協会で行われた。私が首都ワシントンのジョンズ・ホプキンズ高等国際関係大学院(通称SAIS)で勉強したのは1987年。当時は学長がパッカード先生で、その夏にはライシャワー博士の出版記念会があった。ライシャワー博士直筆のサインをもらっておかなかったことが悔やまれる。

パッカード氏もまたライシャワー博士と同様「われ、太平洋のかけ橋とならん」をミッションに掲げ、生涯を通して日米関係に尽力された。この優れた二人の米国人の良識と良心、そして民主主義国家となった日本への深い愛情が日米関係を特別なものにしてきた。

来賓として小林陽太郎さん、大河原元駐米大使、そして中曽根元首相などが次々とスピーチをされた。特に中曽根氏は「ライシャワー博士が日本の天皇家を守ってくださった」という趣旨をお話され、感銘を受けた。コロンビア大学のカーティス教授や小泉進次郎氏も会場にかけつけていた。

SAIS創設の協力者や教え子たちなど大勢の人々を前に、パッカード氏は「今私の周りに私の人生のすべてが見えます」と語った。

私が学生だった頃、中曽根首相とレーガン大統領が「ロン・ヤス」関係を築いたのだが、その演出の裏方がパッカード氏とセイヤーSAIS教授だった。当時皇太子だった現天皇のSAIS訪問もあった。

日本研究科の同窓生にマイケル・グリーンとマシュー・グッドマンがいた。両人とも共和党と民主党という政治的立場の違いはあるが、今や米国を代表する日本通となっている。現財務長官のティム・ガイトナーは私たちよりも数年先にSAISを卒業していたが、時々SAISで開かれるセミナーやコンファレンスに来ていた。
出版記念会ではNHKの今井さんや立教大学教授の小関さんなど知り合いと旧交を温めた。パッカード氏のご子息フランクも昨年までHSBCにいて同じ業界で顔を合わせたことがあり、共通の知り合いも多い。外は冷たい雨だったが、心温まる出版記念会となった。さて、手元にはパッカード氏の5百頁にも及ぶ大著『ライシャワーの昭和史』。これを読まなければ。

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