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国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。

オルタナティブ投資が今や投資手法の主流

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現在、オルタナティブ投資はもはや代替ではなく、投資手法の主流と言えるべきものになっている。絶対値   の収益を目指す運用者にとって、分散投資の多様な手法を提供している。

( 大井幸子 エコノミスト寄贈原稿 )

 

 

伝統的な投資が、誰もが情報にアクセスできる公開企業の株式や債券、公募の投資信託などへの投資を指すのに対し、オルタナティブ投資はヘッジファ ンド、プライベート・エクイティ(非上場 企業の株式)、ベンチャー・キャピタル、不動産などに投資する (図)。

 

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オルタナティブ投資では、投資家と運用 者はともにリスクとリターンを分かち合う運命共同体の運用形態(リミテッド・パートナーシップ)が基本。
運用者はサラリーマンではなく、成功報酬を受け取る インセンティブを持つため、「ハイリスク・ハイリターン」のイメージが付きまとう。

 

しかし、本来オルタナティブ投資は、持続的な「絶対値の収益」を目指す。
例えば、 株式や債券の伝統的な運用においては、買い持ちのポジションしかとれないため、相場が下がる局面では損失を免れない。

 

一方、ヘッジファンドでは、下げ相場の空売り(シ ョート)や、オプションによるヘッジ(回避) ポジションを取ることで、損失を最小化できるのが特徴だ。

 

オルタナティブ投資では、天然資源や不 動産などリスクが高く、流動性の低い資産にも投資する。
また、ベンチャービジネス やインフラ(道路、空港、港湾など)設備 など長期にわたる投資も行う。

 

現在、オルタナティブ投資はもはや代替ではなく、運用の主流と言えるべきものになっている。

 

グローバル化の流れに乗って、投資対象は先進国のみならず新興国、アフリカへと拡大、絶対値の収益を目指す運用者にとって、ますます多様な投資手法を提供している。

 

 

長期にわたる資産保全を目的とする年金基金や政府系ファンドなどにとっては、さらに欠かせない運用手段である。

 

 

 

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