グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。
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ヘッジファンド情報

QEバブル終焉の始まりか? 米国ハイテク銘柄の落ち込み

 4月に入ってから、米国株式の長期上昇の原動力だったナスダック総合指数の崩れが目立っている。ソーシャルメディアなどのネット関連株やバイオ関連など人気銘柄が値を下げた。  今まで米国市場が強気だった理由は、シェール革命やアップル、フェイスブックなどネット系事業のグローバル化など、イノベーションを体現した企業業績の明るい見通しがあったからだ。相次ぐネット系企業の新規株式公開(IPO)も、明るい話題だった。 「追従株」を喜んで受け入れる投資家に見るバブル  …

これからどうなる?金とドル、そして円 〜亀井幸一郎氏との対談〜

亀井幸一郎(かめい こういちろう)氏 プロフィール マーケット・ストラテジィ・インスティチュート代表取締役。 山一證券、マネー・マネジメント・インスティチュート(MMI)、ワールドゴールドカウンシルを経て、1998年に独立。2001年より現職。「史観と俯瞰」をモットーに金融市場から、商品市場、国際情勢まで幅広くウォッチ。日経CNBC、ラジオNIKKEIで市場分析を行う。『急騰前の金を買いなさい』(2013年5月) …

バブルの生成と破綻は人間の性: ウォジンローア博士かく語りけり

アルバート・ウォジンローア博士は、かつてニューヨーク連銀でボルカー氏と机を並べたエコノミストです。クレディスイスなど大手投資銀行でエコノミストを歴任し、金利予想では定評があります。現在は、マンハッタンに本社のあるヘッジファンドのアドバイザーをされています。 以下、ウォジンローア博士のレポート、「Calm on the Surface (表面は静か)」(3月14日付)を自分なりに要点をまとめてみました。

米国バブルとバーゲンハンター達の行方

今週気になるニュースの行方は、以下の3点です。米国経済は経済との乖離がすすみバブルの様相を呈してきました。そのような不安定な中で、ウクライナの問題やチャイナリスクがいつ金融危機の引き金となるか分かりません。 3月19日のFRB金融政策決定会議の行方 ウクライナ情勢 中国1990年代以来初めての社債デフォルト…

危機に備えるプライベート・エクイティ・ファンドの動き

未公開株に投資するプライベート・エクイティ(PE)の行動を観察すると、マーケットがどこに向かおうとしているのかを推し量ることができます。 PEを中心に見たマーケットサイクル マーケット・サイクルがピークに達する頃にはPEに大量の投資マネーが集まります。そして、ピークから下り坂を落ちて行く前に、PEファンドは利益確定を図ります。…

2014年は高成長な新興国・中国も気をつけて!金融危機のメカニズム

1月のFOMCで量的緩和縮小を続けることになり、日本を初め、米国、英国、欧州市場で株価が大きく下げました。グローバルな資金は新興国株式などリスクの高い資産から米国債やドイツ国債といった安全資産へシフトしています。1998年のロシア危機では、ロシアが自国通貨建て国債のデフォルトを起こしたことで、米国の大手ヘッジファンド、ロング・ターム・キャピタルマネジメント(LTCM)が破綻の淵に追い込まれました。

ヘッジファンド・マネジャーからファミリー・オフィスへ

 私はニューヨークで、ヘッジファンド運用者や彼らに投資する機関投資家やファミリー・オフィスなど多くの人々と知り合いました。そして、投資運用のスタイルやお金をめぐる人間関係について彼らからたくさんのことを学び、ヘッジファンドは私のライフワークとなりました。 ヘッジファンドへの投資家の多くは、年金基金や大学基金、財団など息の長いお金です。米国の大手財団の多くは、19世紀末に一代で巨万の富を築いた資本家たち …

拡大するか中国ヘッジファンド

このブログでも、昨年のアベノミクスの上げ潮に乗って、海外ヘッジファンドが日本市場で大きな収益を上げたとお伝えしました。日本株に投資したヘッジファンドの平均リターンは26%(ドルベース:Eurekahedge)でした。…

備えあれば憂いなし:テーパリングとヘッジファンド

 まず、良いニュースをふたつ。  第一に、2月11日に行われたイエレン新FRB議長の議会証言が無事終わりました。量的緩和縮小は粛々と続くこととなり、イエレン議長の真摯な態度は議会の承認と市場の信頼を得ました。  第二に、米政府の債務上限問題は来年3月15日までは無条件で棚上げされることとなり、当分「政府一部閉鎖」の不安は遠のきました。  …

春節、金融パニックの始まりか?

 1月のFOMCで量的緩和縮小を続けることになり、日本を初め、米国、英国、欧州市場で株価が大きく下げました。グローバルな資金は新興国株式などリスクの高い資産から米国債やドイツ国債といった安全資産へシフトしています。  こうした波乱気味の株式市場とは別に、IMFによる今年の世界経済の成長率を見ると、新興諸国の成長率は平均5.1%、中国の成長率は7.5%と高めです。比べて、先進国のなかでは米国の成長率(予想)が最も高くて2.8%…

ヘッジファンドが引き起こす2014年の円高リスク

2013年はアベノミクス効果で日本の株式市場は50%以上も上昇しました。 この1年で日本市場で一番おいしい思いをしたのはヘッジファンドではないでしょうか。 ここでいう「ヘッジファンド」とは、グローバルマクロ戦略の一貫として、 世界の通貨、株、債券、先物に投資する海外の大手運用会社です。

2014年のヘッジファンド見通し

 2013年には日本株は56%近く上昇し、世界市場の中で最も優れたリターンを上げました。S&P500指数は30%上昇、ヘッジファンド業界平均リターンは11%でした。(ブルムバーグ動画をご覧下さい。)今年はいっそうボラティリティ(変動幅の大きい)の高い相場環境と予想されています。  …

2014年の日本株の見通し

6日、日経平均株価は一時400円近く下げました。日経電子版では「大発会はヘッジファンドなどによる利益確定売りが膨らみ、先物主導で下げが加速した。一方、先物の影響を受けない東証2部株価指数は5営業日続伸」と伝えています。 http://www.nikkei.com/markets/features/30.aspx?g=DGXNMSGD06027_06012014000000…

2014年に大きな岐路に立つFRB、決断のとき ~ 山広恒夫さんとの対談

10月29・30日に行われたFOMC(連銀による金融政策決定会議)では、 テーパリング(緩和縮小)は見送りとなりました。 10月のADP民間雇用統計は予想を下回り、 実体経済の弱さを裏付けするものとなりました。 再び、「FRBウォッチャー」として著名なブルンバーグ・ワシントンD.C.支局の 山広恒夫氏に直近のお話を伺います。

株価上昇が続くなか、新たな投資機会とは?

 先週はテーパリング(量的緩和縮小)開始時期が遠のいたことで、新興国の株価が上昇しました。米国株も上昇を続けています。S&P500指数はリーマンショック直後の2009年3月に底を打ってから約3倍にまで上昇しています。 http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=SPX%3AIND  …

米国の威信を問う、政府閉鎖の影響

バークレイズの推計によると、このところの「政府閉鎖」のコストはGDPの0.25%にも及びます。迷惑を被ったのは米国民だけではありません。特に、FRBの「テーパリング(緩和縮小)」を期待していたグローバルマクロ系ヘッジファンドにとっても、「政府閉鎖」でテーパリング延期となり、見通しが外れる結果となりました。…

2014年に米国に最大のバブル崩壊が始まる ~ 山広恒夫さんとの対談

今回のツワモノは、アメリカ金融に大変お詳しく、 FRBウォッチャーとしても著名な、山広恒夫氏にお話を伺います。 9月18日の米国連邦準備銀行(FRB)政策決定会議(FOMC)に よる量的緩和続行の決定、サマーズ氏がFRB議長候補から辞退 するなど、どうもマーケット関係者の予想とは異なるところ で事態が動いているように感じます。 FRBに非常に近いところにいらっしゃるワシントンの山広さ んにお話を伺い、対談を行いました。山広さんは『2014年、…

アフリカ経済 天然資源に恵まれたグローバル化時代の最後の「フロンティア」

今回は国際経済学、開発経済学、アフリカの経済協力がご専門の坂元浩一さんにお話を伺いました。 アフリカは エネルギーと天然資源に恵まれたグローバル化時代の最後の「フロンティア」とみなされています。 アフリカの株式市場は90年代から自由化が進み、直接投資も含めて解放されています。通貨も変動相場制で、その意味では、国際資本市場の一角をなしています。…

米大手ヘッジファンド、上海に進出

 「先を超された」と私は感じました。中国は本格的なオルタナティブ投資を始めます。その手始めに、トップクラスのヘッジファンド六社に対して上海が上陸を認めたようです。「上海シックス」と称されるファンドは、キャニオン・パートナーズ、シタデル、マン・グループ、オークツリー、オクジフ、ウィントン・キャピタルの六社で、上海当局から5千万ドル (約50億円)ずつ(六社で総額3億ドル=約300億円)の、ファンド・レイジングの許可を得ます。

ヘッジファンドとプライベート・エクイティが米国企業金融のメインストリームに

 大手百貨店JCペニー、アップル社、ピアノの名門スタインウェイの経営に、大物「アクティビスト」たちが乗り出し、フレンドリーもしくは敵対的な「もの言う投資家」としてヘッジファンドとプライベート・エクティが企業金融に多大な影響力を行使しています。  ヘッジファンドのパーシング・スクウェア(Pershing Square…

QEが終わり、構造改革がやってくる

 去る5月22日にバーナンキFRB議長が量的緩和(QE)縮小を初めて示唆したことから、債券市場は弱気に転じ、投資資金は債券から株式へシフトしています。  かつて、1994年と2003年に、連銀が短期金利を急ピッチで上昇させたために債券相場が大きく下げたことがありました。  …

デトロイト市破綻から地方債で揺れる債券市場

 米国では第二四半期の好調な企業決算を受けて株価が続伸。GM(ゼネラル・モーターズ)社も増収となるなか、その本社があるデトロイト市が財政破綻しました。地方自治体の破綻は破産法「チャプターナインChapter 9」に准じて処理されます。  デトロイト市は地方債(Municipal bond: 通称Muni)を発行しています。破綻の際、地方債を保有している投資家(債権者)がどう扱われるか注目されています。有力紙バロンズ(7月21日付)Randall Forsyth記者が”The…

QE(量的緩和)の効用と不安

 FRBバーナンキ議長が「QE続行、縮小はまだ先」と示唆し、ウォール街ではメガバンクの第2四半期の好調な決算発表が続き、資金は債券から株式へと資金がシフトしています。米国株は2008年来の高値をつけています。    ベストシナリオは「景況が良くなり長期金利が緩やかに上昇し、株価も右上がり」ですが、過剰信用で生じたバブルはどこかで破綻しなければならず、実体経済とのギャップが大きければ、市場のボラティリティを高めます。