グローバルストリームニュース
国際金融アナリストの大井幸子が、金融・経済情報の配信、ヘッジファンド投資手法の解説をしていきます。
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ヘッジファンド情報

デフレ下のスタグフレーション

 米国も日本も凄い勢いで量的緩和を進めています。経済学の常識では、こんなにマネーの供給が増えればインフレが起こりそうなものです。しかし、マネーは実体経済には向かわず、デリバティブ市場など金融の内輪だけで激しく回転して相場を荒らします。

運用額200兆円! 栄枯盛衰のヘッジファンド その歴史と運用手法を知る

「適格投資家」のみを対象とした私募投資としてのヘッジファンドの黎明期から機関投資家化を経て現在の多様化へいたるヘッジファンドの歴史を解説。 ベルリンの壁が崩壊した1989年からリーマンショック直前の2007年まで、私はウォール街で働き、幸運にもヘッジファンドの隆盛の現場に居合わせた。その歴史と運用手法の進化を概観したい。

ベルルスコーニはいたこのイタロー

 昔、戦中派の父が「イタ公はあてにできない、ドイツだけと組んで戦争すればよかった」と言っていた。子供の頃イタリアとはそういう国かと思っていたので、かつて「潮来(いたこ」の伊太郎」という歌が流行った時、「いたこ」とはイタリア人のことで通称イタローと呼ばれているのだと思っていた。  …

大井幸子の起業物語

K:  大井さんはウォール・ストリートでキャリアを積まれて、その後ニューヨークでSAIL社を起業されました。その辺のいきさつをお聞かせ願えますか? 大 井: 1989年12月に日本のバブルが最高潮に達し、その翌年にバブルが破綻し、1990年からは「失われた20年」が始まりました。ウォール街もまた 日本からの投資で潤ってきましたが、1991-2年には米国に投資されていたお金が日本へ戻っていってしまいました。その影響で、ウォール街の日本相手の…

「財政の崖」っぷち、危機迫る米国

 私が最も信頼する往年のエコノミスト、アルバート・ウォジンローア博士のレポート(12月14日付)を読む。博士は元ボルカー連銀議長とニューヨーク連銀で机を並べ、その後ファースト・ボストンなど投資銀行でエコノミストとして活躍された。現在は米国の某ヘッジファンドのアドバイザーをしている。  ウォジンローア博士の今年最後のレポートは「財政の崖からの転落」というタイトルで、その内容を以下、簡単にまとめてご紹介したい。博士は米国経済の先行きに危機感を募らせている。

「財政の崖」から転落するとハイパーインフレがやってくる!?

ニューヨーク・タイムズ紙によると、大手ヘッジファンド、ムーア・キャピタル・マネジメントのベーコン社長は、運用資金の一部の20億ドルを投資家に返済すると発表した。運用せずに返してしまうその理由とは、一言でいえば運用難。いわく「第二次大戦後これほどまでに政治的な力が自由な市場経済の活動を制限したことはない。特にメルケル首相一人の意思決定が世界の市場に大変な影響を与えている」。

オルタナティブ投資の効用

以下は、4月12日にキーストーン・パートナース年投資家総会の基調講演でお話した内容です。 私は2007年に東京に戻るまでの約20年をウォール街で過ごしました。レーガン大統領の時代から、二度にわたる湾岸戦争、同時多発テロ、ITバブルや住宅バブルの生成と崩壊、など多くを体験しました。

2012年はソフトランディング

 年明けから、ギリシャ国債デフォルトやホルムズ海峡封鎖といったリスクが高まった。が、じっさいは「貧すれば鈍する」といった状況で、お互いの経済を叩きあっても益がないというのが冷静な判断だろう。よって、無益な衝突を起こさない、戦争をしないように、金融市場でも大きなショックを起こさないように、相互にソフトランディングを模索するだろう。その意味で、選挙イヤーの今年は主要国の外交など大戦略に注目したい。

2012年のFat Tails

  今年はすべてが試され、旧態依然の権威が地に落ち、どんでん返しが起こるときだと感じている。日本についても、世界についても。

QEは金融政策の誤り

 大手ヘッジファンドのレポート「QE(量的緩和)の効果は極めて限定的」を読んでいる。QEは日本、英国、米国で実施された。その効果を実証すると、株式市場をちょっと浮上させる程度だという。それでも、QEは続いており、市場は金融政策当局への疑念を強めている。

ギリシャは既に破たん、次はイタリア、そして日本?

 IMF総会に参加した知人がその深刻な様子を話してくれた。IMF総会にはバーナンキFRB議長やトリシェECB総裁を含め、国際金融を司る最重要人物が顔をそろえていた。まず、ギリシャは既に破たんしている。参加者全員がこの事実に基づき、「ギリシャをどうリストラクチャリングするか」を話し合っていたという。  …

流動性の罠と新たなBIS規制

 ギリシャ危機を未解決のままずっと引きずってきた欧州の政治指導者たち。次にスペイン、イタリアへの財政支援問題が浮上している。欧州の民間銀行は両国へのエクスポージャーは大きく(=スペインやイタリアへの貸し付けや投資額が大きく、その分リスクにさらされている)、政治的な判断や対応が遅れれば、欧州金融市場への悪影響も大きい。そうした不安定さから、各国では移民や若者の失業など国内問題がくすぶり続けるだろう。 

世界はスタグネーションへ

 ニューヨーク在住のエコノミスト、熊坂博士のCQMレポートによると、米国の景気の落ち込み(スローダウン)はかなり深刻な模様だ。21日発表された5月の中古住宅件数は481万件と3.8%も落ち込んでいる。家計は借金を返済し、貯蓄に勤しみ(デレバレッジング)、個人消費が伸びていく状況とはいえない。住宅市場の本格的な回復は、早くても来年2012年後半から2013年にかけてと見込まれている。

再びスタグフレーション?

ここ数日間、市場参加者の意識に変化がみえる。キーワードは「スタグフレーション」、原油高からインフレと失業に苦しんだ1970年代がよみがえる。いくつか気付いた点をまとめておこう。

さすがにゲッコーはケッコー!

 リビア情勢が緊迫している。リビアでは国民の教育レベルが低く、原油の埋蔵量があってもその精製など多くが外国人労働者に頼っている。彼らが国外に退去していることから、供給が細り原油価格の高騰が予想される。  少し前からインフレ率上昇やスタグフレーションのワードがフィナンシャル・タイムズ紙で目立つようになってきた。ヘッジファンドではコモディティズがこの1月は堅調な実績を上げた。これに関連して経済成長とインフレ懸念が、ソブリン債危機に対する悲観的な空気を吹き飛ばしている。

個人と企業の新しいエコな生き方、ジェネロシティ

1.Generation(ジェネレーション) G 2007年に東京に居を移した頃、ある出版社から「企業の社会的責任CSR」について米国の現状を書いて欲しいという依頼があった。金融サービス業界ではヘッジファンドも含め、多くの篤志家が個人レベルで慈善事業を行っているが、企業をあげて社会貢献を実践する意味や歴史的な背景について、この依頼を機に、いろいろと考えるようになった。

ウォジンローア博士による金利予測

中間選挙までの金利動向について 前の四半期と比べてマクロ的な環境はそれほど変わっていない。経済成長率はせいぜい3.25%程度にとどまっている。前年第四四半期の成長率は低めではあったが、その分、年明け第一四半期の高めの成長率で補完されている。 失業率は5%以下に落ち着き、求人広告もどんどん増えている。しかしながら、労賃や従業員福利厚生の伸びはあまりなく、その代わりに、企業収益が伸び、設備投資が活発化している。